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「毎年8月23日と24日にあだし野の念仏寺で千灯供養があるのよ。ミモロちゃん知ってる?
今年は多くの失われた尊い御霊のご供養のためにも、ロウソクを奉納に出かけましょう」と
お友達に誘われたミモロです。
夜の7時過ぎ、JR嵯峨嵐山駅から、バスに約10分乗って、「あだし野 念仏寺」へと向かいます。
この界隈は、いつも昼間、観光客で大賑わい。
でも、この夜は、しっとりとした静けさが辺りを包んでいました。
お土産物屋さんが並ぶ道沿いには、いくつもの灯籠が、念仏寺への道標のように人々を導きます。
昼間とは、まったく違った幻想的な景色です。
念仏寺の境内に入ると、ミモロの目の前には、幾百ものロウソクの灯が、闇の中に煌めいています。
「わーまるでお星さまみたい・・・亡くなった方の御霊が、煌めいているんだね」
ミモロは、しばらくその灯を静かに見つめていました。
お寺でいただいた資料によると・・・
戦乱や疫病が続く平安から鎌倉時代、ここ化野(あだし)は、東の鳥部野(とりべの)、北の蓮台野(れんだいの)と共に、亡くなった人を風葬した地だったそう。多くの身元のわからぬ死者を悼み、その御霊を供養するため、人々により石仏が祀られるようになりました。しかし、時代の流れで、それらの石仏は、地中に埋もれ埋没したり、散乱状態に。そこで明治時代になり、見捨てられたようになった石仏たちを、この境内に集め、供養するようになったのです。
「名前も知らない昔の人たちの御霊だけど、ある意味でみんなご先祖さまになんだよねぇ・・・・」
とミモロ。なかなか深いですねー。
今日、生きている人は、きっとなんらかの縁で昔生きた人たちを繋がっているからこそ、今があるのです。
今年は、東北の震災で、多くの方が亡くなり、今だ行方のわからない方も多くいらっしゃいます。
本当に心が痛みます。
「御霊がいらっしゃる世界は、どこでも繋がっているから、ここでお祈りしても、きっと届くねー」。
そうね、ご供養の心は、どんなに遠くても距離を越えて届くもの。
境内の提灯に導かれ、奥へと進むと
「ロウソクをお供えしてください。こっちですよ」と、やさしい笑顔のおねえさんに声を掛けられました。
トコトコと後をついてゆくと、「これどうぞ・・・」
と、白い和ロウソクを1本手渡されました。
ミモロは、落とさないように大切に帯に挟んで、おねえさんの後に続き、
石仏が並ぶ場所で、白いロウソクに火を灯し、小さな石仏の脇に供えます。
「どうぞ多くの御霊が安らかに・・・そして、私たちを見守ってくださいませー」と
ミモロは、静かにお祈りします。
「よくお参りくださいました」とおねえさん。
「いえ、どう致しまして、ありがとうございました」とミモロは、お礼を言ってから境内を離れます。
石仏のそばで灯るロウソクの光ーそれは、ここを訪れた人が1本ずつ、心を込めてお祈りした光でした。
道の両脇にトウロウが灯る中、トコトコと歩くと、
「東北の復興支援の手ぬぐいです。がんばれ東北!東北を応援しましょう」との呼び声が聞こえます。
地元の方が、東北の震災被害者を支援するための募金を集めるテントです。
ミモロは、テントに近づくと・・・
「あ、カワイイ子だね。よく見てってね!」と、お手伝いをしている男の子に見つめられミモロは、ドッキ・・・
さっそくテントの机の上に並んだ「ガンバレ東北」と染め抜いた手ぬぐいを見るミモロです。
「東北のみなさん!がんばってくださいねー。私たちも応援してまーす」と地元の皆さん。
京都からの思いが、どうぞ東北のみなさんに届きますように・・・。
あだし野念仏寺 千灯供養は、8月23,24日 開門17:30~20:30 (行事開始は18:00から)*混雑のため電車やバスなどの利用をおすすめ。
詳しくは、ホームページで。