ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

NHKで紹介されたミモロのブログの取材先、明治8年創業の手づくり茶筒の老舗「開化堂」

2013-05-04 | ものづくり

5月1日、2日にNHKの情報番組で紹介された「ネコのミモロの京都案内写真展」。そのVTRの中で、ミモロが取材しているお店のひとつが、京都、河原町六条東入ルにある手づくり茶筒の老舗「開化堂」です。


河原町通から、ちょっと入った場所にあるお店は、洗練されたモダンな感じ。ショールームには、ピカピカ光る茶筒が、棚やテーブルの上にたくさん並んでいます。


「開化堂」は、明治8年(1875)創業の日本で一番長い歴史をもつ手づくり茶筒のメーカーです。
明治8年といえば、今、NHK大河ドラマ「八重の桜」に登場し始めた、八重の次の夫となる新島襄が、京都に「同志社英学校」を創立した年に当たります。

緑茶の普及と共に生産された茶筒。現在、一般的な金属製のものが普及する以前は、漆器や木製のものが多く使われていました。しかし、木製のものでは、気密性に欠けるため、内部のものが湿気を帯びやすくなってしまいます。

「開化堂」は、明治時代に、英国から輸入された錻力(ブリキ)を使い、それまでにない気密性の高い金属製の茶筒づくりの技術を開発、以後、現在に至るまで、その手づくりの技を守り続けているのです。


特に、「開化堂」の手づくり茶筒で、驚くのは、蓋と胴の継ぎ目同士を合わせると、蓋の重さで、スーッと自然に落ちて行くこと…その技術の高さは感動ものといえましょう。


店内に入ったミモロは、あちこちの棚を見て廻ります。

シンプルなフォルムの茶筒。まさに用の美の極致。


銅製、ブリキ製、真鍮(シンチュウ)製、銀製などがあり、いずれも使うほどに特有のツヤや色の変化が進み、味わい深くなる、まさに一生ものの品々です。


「えーずっと使うと、こんなに深い色になるの?」。左端のピカピカの新品の茶筒と明治時代の茶筒との色の変化を見ると歴然。古びてゆくことの美しさを、感じさせる品です。

ミモロが、店内を見て廻っていると、「あ、ミモロちゃん、いらっしゃいー」と、5代目となる八木裕隆さんが声を。

ミモロとは、前に一度、ある会で会ったことが…。「こんいちはーお久しぶりでーす。ゆっくりお店に伺いたかったので、来ちゃいました…」とご挨拶。

はっきり言って、現代生活において、茶筒の需要は頭打ち。かつて一家に複数あった茶筒も、ない家すらあるのが現状です。そんなきびしい状態を打破しようと、現在、八木さんは、京都のほかの伝統技術をもつ老舗の若主人たちと共に、海外へ新たな活路を開拓中。パリ、ミラノ、ニューヨークなどの展示会などに、積極的に「開化堂」の品をアピールし、その技術の高さと美しいフォルムなどから、高い評価と多くの評判を得ています。

従来の茶筒のお茶を収納する容器という概念に縛られず、パスタやコーヒーの容器など、気密性の高さを活かした品々を開発。


また、近々北欧のデザイナーとのコラボによる品々も登場することに…。


「欧米の人たちは、ひとつのものを長く使い続けることを好むので、うちの製品には多くの関心が寄せられるんです。日本の昔から培われたものづくりの技術は、ほかではマネできないもの」と。そんな八木さんも、昔は、あまり稼業に関心がなかったそう。「でも、あるお客様が、おばあさんが使っていたという古い茶筒を店に修理を頼みにもっていらっしゃった時、ひとつの茶筒が三代にもわたり使われていることに、改めて驚き、その技術を絶やしてはいけないと、強く思うようになりました」と語ります。


ブリキ製の茶筒の価格は、1万円以上するものがほとんどで、もちろん茶筒としては高価な品。でも、1つのお気に入りの品を、ずっと大切に使い続けることに、豊かさを感じます。


「これいいなぁーお菓子入れるのにピッタリかも…」とミモロ。でも、仕舞っておく間もなく食べてしまうのに…。

「どうぞ包装されたお菓子など、好きなものを入れてください…。でも、湿り気のあるお菓子を直接入れてはダメですよ」と。

茶筒の使用には、水気は厳禁。最初に使う時も、水洗いは不要。また冷蔵庫への保管も厳禁です。

次ぎにミモロは、お店の一角にある道具に興味を…。
「これで作るのかな?」

「ミモロちゃん、作っているとこ見たいですか?」と八木さん。「はい、見たい、見たい…」とミモロの目が輝きます。では…ということで、特別にミモロは、茶筒を作っている工房を見学させていただくことに…。

お店を出て、八木さんと工房へ向かいます。

*「開化堂」京都市下京区河原町六条東入ル 電話075-35-5788 9:00~18:00 日曜・祝日休み 交通/京阪五条駅から徒歩5分 


*明日5月5日がいよいよ最終日!「ネコのミモロの京都案内写真展」。ぜひ岡崎の「ぎゃらりーあーとぺーじ唯心」へ。最終日は、11:00~17:00です。お見逃しなく!来てね・・・!


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コメント (3)
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