「ミモロちゃん、平安騎馬隊って知ってる?」と、ある日、お友達に聞かれたミモロ。「えーそれ、なあに?」と、興味津々の様子。さっそく、その疑問を解決すべく、平安騎馬隊の厩舎を訪問することに。
厩舎があるのは、京都の町の北側、宝ヶ池公園の、いこいの森の一角です。
緑茂る公園の中を進むと、さりげない表示が。敷地内には、清潔に管理された厩舎が。
「えーっと、入る前に手を消毒しなくちゃ…」
雑菌の侵入を予防するため、入場者は、必ずアルコールで手や靴底を消毒します。
「あ、馬…」馬好きのミモロは、そこにいる馬たちにご挨拶。
そもそも平安騎馬隊は、京都府警察の一部門で、そこに勤める職員は、すべて警察官です。
日本には、現在、皇宮警察本部、警視庁、そして京都府警察と、3か所に騎馬隊があります。交通の取り締まりなどは、パトカーや白バイの役割で、騎馬隊は、主に、公式行事、パレードなどの先導など儀礼を担っています。
でも、そのなかで、京都府警の「平安騎馬隊」は、儀礼にとどまらず、京都御苑などの観光地のパトロール、学童安全対策として、府内の小学校の通学路のパトロールや、平日の朝、厩舎近所の小学校周辺の警戒活動、さらに賀茂川などの水辺のパトロールで水難事故防止活動なども行っているそう。
ここでは、毎日、午前10時から午後4時まで、厩舎を自由に見学できます。ただし、馬に近づきすぎたり、馬場内への立ち入りはできません。あくまでも、馬を眺めるという感じです。
さて、朝、10時頃に到着したミモロ。「馬装の様子見るんだー」と、さっそく見学開始、
ブラシを掛けたり、鐙やハミ、手綱などを装着したり、虫よけスプレーをしたり、手際よく作業が進みます。
「クンクン…ここは、馬が臭くない…」清掃も行き届いた厩舎は、今まで訪れたことがある厩舎に比べ、なんと臭いがほとんど感じられません。毛並も美しく、よく手入れされているのが、わかります。さすが警察の管理は見事。
ちなみに、騎馬隊へ配属されるのは、かつて乗馬経験がある人が多いそう。もちろん、人事異動で配属されますが、馬が好きでないと務まらず、また、藁アレルギーも無理だとか。
「あ、馬がカワイイお帽子かぶってる…。いいなぁ…オシャレ・・・」とミモロが言うと、「これは、耳の中に虫が入らないようにするためのもの。オシャレじゃありませんよ」と。馬は、とても神経質。でも夏は、蠅などが寄ってきて、集中力を削いでしまうことも。それを予防する帽子でした。
平安騎馬隊の馬には、「愛宕」「鞍馬」「小倉」など、すべて京都近郊の山の名前がついています。馬の種類は、サラブレッド。かつて競馬馬として調教されていたものが、ほとんどです。
「競馬に使うには、競争心が少なくて、おとなしい性格だったから、向かなかったんだねー。でも、穏やかで、おっとりした性格は、パトロール向きかも…」とミモロ。
競馬の馬は、ごく限られた環境で育ち、調教されます。そのため、一般道路のように、車や人、自転車などには、馴れていなくて、ほんの小さな物音でも、反応してしまいがち。パトロールに使えるようになるまでには、やはりそれなりの時間と訓練が必要。
馬装を整えた馬たちは、朝の運動へ馬場へと進みます。
「わー女性の騎馬警官さん、カッコイイ・・・」とミモロは、憧れの眼差し。
馬場内では、並足から、駆け足まで、ゆったりと運動が…。
ミモロは、決められた場所から、ジッと馬を見つめます。
「いいなぁ、ミモロも馬に乗りたいなぁー」
実は、ここでは、4歳から小学4年生までを対象に、予約制の体験騎乗が行われています。ミモロも、その気分をちょこっと体験?
(形こそ違いますが、子供も騎馬警官の前に乗せてもらうんです)
この日も、近くの子供たちが見学に来ていました。
「いいなぁ、馬は…」といつまでも訓練を眺めるミモロです。
京都では、葵祭、時代祭などの行列に、馬は欠かせない存在。時代装束に身を包んだ人たちが、馬に乗って進みます。実は、この行列にも「平安騎馬隊」は出動。万が一、馬が、暴走したとき、抑えるのは、やはり馬で行うのがベストだとか。また、馬に騎乗することで、その高さから、視野を大きく開け、警備には最適。「京都には、欠かせない存在なんだー」とミモロ。
さぁ、そろそろ帰りましょ…。
帰り道は、やはり公園の中を抜けて…新緑が清々しく、本当に爽快です。
ミモロは、途中、川で遊んだり…
そして、土手の一本道をトコトコと歩きます。
「君の行く道は、果てしなく遠いー・・・」と、思わず歌が…。
*「平安騎馬隊」の厩舎見学などの情報は、「京都府警察」のホームページのふれあい活動から。
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