「今日は、のんびりランチしよう…」と、ミモロが訪れたのは、聖護院のそばの「西尾八ッ橋の里」です。
元禄2年(1689)に創業したという「本家西尾八ッ橋」。京都のお土産として有名な八つ橋の老舗として知られます。
聖護院の本店のすぐそばに、りっぱな門構えの邸宅が…そこがミモロがランチに来たお店。
門を入り、中に進むと、落ち着いた雰囲気の日本庭園が…。
玄関に入ると、靴を脱いで、中へ。
「なんかすごくりっぱなおうち…」風格ある日本建築…「いらっしゃいませー」とお店の方に迎えられ、ミモロは、お座敷のテーブル席に案内されました。
ゆったりとしたテーブル席で、注文した「西尾八ッ橋の里膳」1600円を頂きます。
小さなお皿の上に、ゴマ豆腐、ヒジキの煮物、鶏の照り焼き、キュウリと湯葉の和え物など6種類の品々が…。そしてかやくごはんと白みそのお味噌汁のセットです。
「体によさそうなものばっかり…いろんな味が楽しめてうれしいなぁ~」とミモロ。
りっぱな構えのお店なので、さぞや高価なランチしかないと思っていたのですが、この御膳のほかは、オムライス、にしんそば、カレーそばなどの、そば・うどんの定番の品、それからおしるこ、コーヒーなどが楽しめる、ごくカジュアルな品ぞろえ。そのため、修学旅行生の姿も見られます。
「普通のお蕎麦屋さんより、のんびり食べられる…美味しかった…ごちそうさま…」とミモロは満足した様子。
ミモロの席からは、お庭の景色も眺められます。
「あ、八つ橋がついてたんだ~」御膳の隅に、袋詰めの八ッ橋が…「おうちで食べよう…」と持って帰るミモロです。
食事を終え、お勘定をしに玄関に行くと…
「よかったら、資料室などもありますから、見ていってください…。ほかのお部屋もどうぞ…」とお店の方に言われたミモロ。玄関脇の洋間へ。
そこには、「本家西尾八ッ橋」の長い歴史を物語る品々が展示されていました。
文政7年(1822)に、ご近所の熊野神社に奉納した絵馬。
明治22年(1889)のパリ万博など、世界の博覧会に出品し、数々の賞を授与された歴史がわかります。
「へぇー八ッ橋って、パリ万博にも出てたんだ~知らなかった~」
この資料室は、洋間なので、その窓辺が素敵…
歪んだガラスが、陽光をいっそう優しくしているよう…。
洋間の隣には、お茶室が続きます。
実はこの建物は、大正8年(1919)に、東洋レーヨンなどの要職を歴任した関西の財界人あり、立命館大学の前身の京都法政学校設立に尽力した学者でもある 河原林堅一郎氏が建てた邸宅。数寄屋風書院造りで、国産の栂(ツガ)材が多く使われています。主人の人柄を示すように、決して華美に走らず、質実剛健とした雰囲気を漂わす邸宅です。
ふすまの金具、窓枠の装飾など、細部にもこだわった造りに、主人の趣向が感じられます。
その後、この邸宅は、東芝が所有する役員専用の保養所となり、それから本家西尾八ッ橋が購入し、基礎部分など補修、改修し、現在に…。
2012年には、「京都市民が選ぶ京都の財産として残したい京都を彩る建物や庭園」に指定されました。
「この広いお座敷では、お抹茶とお菓子が味わえるんだって…」
床の間には、「八ッ橋発祥の家」と書かれた軸が…前に座りお軸拝見…「わかりやすいお軸だこと…」。
「庭には、カキツバタの池や樹齢150年の椋の木があるんだって…また今度ゆっくりお友達と来よう・・・」
気軽に寄れるお昼処としておすすめです。
*「西尾八ッ橋の里」京都市左京区聖護院西町6 075-752-2188 11:00~16:00
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