京都検定合格者の人たちが、ボランティア活動を通じ、京都の観光文化の振興と、精神性豊かな社会の創造を目指して、8年前に設立されたNPO法人「都草」。観光地や史跡の美化活動、ボランティアガイド、歴史、文化に関する研究・調査、文化・歴史講座の開催など、さまざまな活動を幅広く行っています。
ミモロもメンバーのひとり。(京都検定2級に合格する前から、メンバーで、だれでも入会できます)
週末に、ミモロは、「京都御苑歴史散策ツアー」に参加することに。毎月、開催される散策ツアーで、京都検定1級合格者の方が、京都御苑に関するさまざまな歴史や文化のお話しとともに、御苑内を案内してくれるもの。
この日は、メンバーの田村光弘さんと八並都子さんが、ミモロのグループを案内してくださいました。
集合場所は、京都御苑の南西の「閑院宮邸跡」の前。
「ミモロちゃん久しぶり…」とメンバーの方。「はい、なかなか参加できなくて…」と、ミモロは、みんなにご挨拶。
歴史散策ツアーは、御苑の中にある歴史的な建物や、ポイントを15か所巡ります。ポイントになる場所では、そこにまつわる歴史的なお話しなどを、わかりやすく解説してくれます。
東山天皇の皇子、直仁親王が創建した「閑院宮邸」でのお話しを聞いて、いよいよ散策ツアーは、動き出しました。
ミモロ、のんびりしてるとおいて行かれちゃうわよ~
「はーい、今行きま~す。だって風が気持ちいいんだもの…」
梅雨の合間の晴れの日曜日、陽射しは強いものの、日陰には、さわやかな風が吹き、涼しい気持ち良い日です。
美しい庭園が残る九條邸跡の「拾翠亭」に向かった一行。
四季折々の風情を見せる庭園は、だれでもいつでも見学できる場所。(京都御所、仙洞御所の庭園を見学するには、申込みが必要)
庭の景色を身を乗り出して鑑賞します。「あ、サギがいる…。こっちには亀と水鳥…亀さん、甲羅干しかな?」
歴史とともに、京都御苑を訪れる人を魅了するのが、その豊かな自然。周囲約4キロ、面積65ヘクタールの敷地には、キノコ類約400種、野鳥は、年間90種以上、蝶類は、50種ほどが観察できる、まさに町中にある自然の宝庫です。
昆虫、野鳥などが暮らす敷地には、多くの樹木が植わっています。樹齢500年を超す巨木の多さも、御苑の魅力。
「大きい~」
周囲5・8メートルといわれる大きなイチョウの木。みんなで囲んでも、この通り…。
御所の南門は、「堺町御門」。御苑にある9つの門で、唯一南にある門です。「文久3年(1863)8月18日に、この周辺で、「七卿落ち」と『呼ばれる政変がありました…葵祭と時代祭の行列は、この門から街の中へと向かいます…」
さまざまな興味深い歴史秘話が聞けるのも、このツアーの楽しさ。御所の様子を示した地図など、いろいろな資料で分かりやすく解説されます。
御苑内の大きな道には、日陰がありません。「う~暑い…」。京都御苑見学には、日傘、帽子、水など熱中症対策をお忘れなく。
でも、木々が茂るところは、涼しく、散策には、気持ち良い場所。ツアーも陽射しが優しいところを選んで進みます。そして、ときどきベンチで休憩…。
白雲神社、枇杷殿跡、蛤御門などを経て、ミモロたちは、樹齢300年といわれる椋の木のところへ。
「あ、小さな実がある…」とミモロ。「この葉は、表面がちょっとザラザラしていて、昔はサンドペーパー代わりに使ったんです」と田村さん。触ってみると「ホント、ちょっとザラザラ・・・」
「はい、ここが御所の正面にあたる建礼門です。ここは、天皇陛下と国賓が来られた時だけ開きます。ほかの皇室の方は横にある別の門から…」
「これが、今年、17年ぶりに開門されたときの写真です」
「へーえ、ミモロも見たかったなぁー」と、そんな貴重な写真も…。
「建礼門のそばにあるのが、道喜門で、長い間、天皇にお餅を献上した川端道喜の名がついた、唯一の穴門です…」
穴門は、御所を取り囲む壁に全部で13箇所。ここから、外部から必要な物資を御所に入れます。御所にお住まいの親王や皇女たちは、生まれてから、ずっとこの壁の中で暮らします。また御所周囲の宮家の方々も、自由にほかの場所を歩き回ることはできません。「いくら広いおうちでも、お外にめったに出かけられないって、辛いね~」と、庶民のミモロは、いつも御所に来るたびに思います。
「学習院跡」や皇女和宮さまの生家「橋本家跡」などを見学。その都度、そこにまつわる歴史的なお話しが紹介され、参加者の興味をいっそう誘います。
案内役のお話しを聞きながら、ミモロは、足元の草原で何か真剣に見つめています。
「これ、ヘビイチゴかな?」小さな赤い実のイチゴ…「食べられるかな…」10時からスタートした散策ツアーは、そろそろお昼近くに…。どうもお腹が空いてきたよう…。ミモロ、イチゴ見てないで、早く~「あ、待って~」と、気づくと周囲には、だれも…。慌てて後を追うミモロです。
ツアーの最後は、御苑北側にある桜の名所で知られる「近衞邸跡」へ。
春の見事な桜の写真を…「今年、ミモロ、この桜見たもん…」と、今は、緑の葉が茂る近衞邸の春の景色を思い浮かべるミモロです。
「楽しかった~」とミモロ。田村さん、八並さんお疲れ様でした、ありがとうございました。
京都御苑散策ツアーの所要時間は、約2時間。「都草」のメンバーでなくても無料で参加できます。
ただお散歩するより、案内されると、その歴史的な意味などがよくわかり、興味もいっそう。
詳しくは、「NPO法人 都草」のホームページで…。
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