「種智院大学」の仏教学科公開授業「ほとけの文字を書く」という梵字を学ぶ授業を受けたミモロ。学食でランチを食べた後、同時に行われていたオープンカレッジの「密教瞑想体験」に参加することに…。

「このお教室じゃないの?」とミモロとお友達は、だれもいない教室をのぞきます。
心なしか、芳しい薫りが漂う廊下…
教室には、坐禅用の丸い座布団が並び、その前に、梵字が掛かれたものがさがっています。
ドアから中を覗いているミモロたちに気づかれて…
「どうぞ、中に入って、瞑想体験していってください…」と、そこにいらした「種智院大学」の教授の北尾隆心先生。

「はい、失礼します~」とミモロたちは、遠慮がちに中へ。
では、まずお浄めのお香を手に…。両手をすり合わせて、全体に伸ばします。
「わ~いい香りがする…廊下でしかいい香りって、これだ~!」とミモロは、鼻をクンクンと…。

「ここでは、真言宗の呼吸法をお教えします…はい、体の力を抜いて…」

真言宗の修行者を「瑜伽行者(ゆがぎょうじゃ)と呼び、仏様と相応して一体化する=ヨーガ修行をします。
「ミモロ、ヨガしたことあります!」と。「それはハタ・ヨガと呼ばれるものですね」と北尾先生。
瑜伽修行の第1歩は、呼吸法から…。呼吸こそ、多くの功徳と効用を生むものと、真言宗は考えているのだそう。
「はい、深呼吸してみてください…」スースーとミモロは、思い切り空気を吸い込んで、そして吐いてゆきます。
「う~違いますね~。呼吸とは、まずしっかり吐くこと。呼吸の「呼」の字は、息を吐くことで、「吸」の字は、空気を吸うことですから…ふつう、吸うことにばかり気を使うでしょ、そうじゃなくて、まず吐くことに意識を集中させてください」と。
「では、座ってやってみましょう…」
ミモロたちは、坐禅の座布団に座ります。

「では、吐くときに、お腹からア~という低い声を出しながらやってみてください…はい、どうぞ~」
「ア~」とミモロは、小さな声で…「もっと大きな声を出して!」と先生の声が飛びます。
「ア~ア~」と、前より大きな声を出しながら、お腹の中から息を出します。
「では、次にア~といいながら、息を吸ってください~」と先生。
「ウ~ゴホゴホ…」と咳きこむミモロ。「息を吸いながら、ア~って言えない…」「そんなに一度に空気をたくさん吸い込もうとしないで、ゆっくり少しずつ入れるように…」
呼吸は、吐くときも、吸うときもゆっくり…そして意識的にすること…。
ミモロたちは、前に掛けられた仏様の文字を見つめながら、ゆっくり呼吸を繰り返します。

この「ア~」とは、実は大日如来さまのこと。この呼吸法は、「阿息観」と呼ばれるもので、体内の大日如来さまを外に出して、再び体内に入れているのだそう。
「大日如来さまが、自分の体を行ったり来たりすることで、一体化しているんですよ」と。
この呼吸をおこなえば、すべての願いが叶えられるとされています。
現代人は、呼吸が浅く、それがストレスの原因にもなっているといわれています。毎日、意識的に、この「阿息観」を行うと、健康維持にもつながるそうです。
「どうしよう…息を吸うときにア~と言えない…大日如来様、ミモロの中に入ってくれないかも…」とちょっと心配になるミモロです。まずは、吐くときにア~。意識的に呼吸することで、そのうち吸うときにもア~っていれるようになることでしょ。
この瞑想体験でミモロは、1枚の紙を頂きました。仏様を表す「阿」の字がセンターに…。

「阿字」と蓮華、日輪のデザインの紙の上に、ミモロ自身で、日輪の周りに線をマジックインキで描き添えました。
「書いたものと、書かないものでは、中の文字の色が違うでしょ?」と。書くことで、仏様がいっそう輝きを増したように思えます。
「この紙を、寝るところの天井に張って、それを見ながら呼吸をするといいですよ…」と。眠る前に、横になり、リラックスした姿勢で、呼吸を数回するだけでも、体が違ってくるのだそう。
「なんかいろんなこと教わっちゃった~」と、ミモロは、嬉しそうにキャンパスを後に…

秋にも公開授業が行われるそう。「また、参加しようかな~」と、有意義な時間を過ごしたミモロでした。
*「種智院大学」の公開授業などに関する情報は、ホームページでどうぞ…

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