ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

住民がガイドする京都ミニツアー「まいまい京都」。「妖怪の子孫と行くオフィース街に潜む魔界」

2015-09-06 | イベント

観光都市、京都には、さまざまな種類の観光ツアーが企画されています。ミモロが、すでに4回、参加してるのが、「まいまい京都」が企画する京都ミニツアー。京都に住む、その道の専門家や研究者などが、案内する約3時間のツアーです。

今回、参加したのは、「妖怪の子孫といく、オフィース街・四条烏丸に潜むまさかの魔界!~二大怨霊の意外な繋がりとは?」と題された、ちょっと怖そうな内容…でも、それだけに惹かれるものがありますが…。

地下鉄四条駅で、集合した参加者は、約20名。
今回の案内役は、葛城トオルさん。プロフィールを見ると…「妖怪堂店主。古物商四代目。1961年、東山三条に生まれる。母方は堀川下立売、祖父は、着物柄の発案師で、宮に仕える絵師の家系と伝わる。嵯峨大学から、大手印刷会社デザイナーを経て、家業を継ぐ…」

そんな葛城さんは、ある日、自分が妖怪の子孫と気づいたそう。それは、能楽や歌舞伎の題材となっている「土蜘蛛」。その土蜘蛛の出身地が、葛城という地だそうで、そこには、鬼族が住んでいたとか。その地の名をいただく葛城さんは、鬼族の子孫なのだろうと思ったそう。それ以来、自ら妖怪の伝道師となり、独自の切り口で、京都の魔界や妖怪伝承を解明している方なのです。僧侶の資格も持ち、ますます魔界との距離を縮めています。

そんな葛城さんが案内する魔界ツアーは、毎回大人気。わざわざ東京など、関東地区からも毎回参加されるというファンも…。
「魔界だって~ちょっと怖いけど、なんかワクワクしちゃう…」まぁ、ミモロ自体も不思議な存在ですから…。

さて、魔界ツアーは、四条烏丸通を、まずは南へ向かいます。
初めに立ち止まったのは、「遥拝所」と書かれた石碑が立つ、ビルの谷間。
「さて、クイズです。この遥拝所は、どこを拝むためのものでしょ?」と葛城さん。「う~ん、よく伊勢神宮を拝むところを見るから、ここも伊勢神宮ですか」とミモロ。「いいえ、それは、通りの向こう側です」と烏丸通の反対側を見ると、「あ、大政所御旅所だ~」
ここは、かつて祇園祭の神輿2基の御旅所だったところ。「なんだすぐ向かい側の遥拝所なんだ~」とミモロ。

「かつて烏丸通には、川が流れていたんです。だから御旅所は、川向うにあることになります」と。「へぇーそうだったんだ~」と、まずビックリするミモロです。

さらにミモロ一行は、南へ。烏丸高辻を西へと入ります。

「では、ここに寄ります。参拝したい方はどうぞ~」と葛城さんが先導したのは、「繁昌神社」です。
 「ここ、祇園祭の時に来た~」とミモロ。
「ここは、班女(はんにょ)の塚があったことから、班女が繁昌になったんです。あ、ここの石灯籠を見てください」
「あ、これね…」「この燈籠、なんか変だと思いませんか?」と葛城さん。「変?どこが?」とミモロは、じっくり見つめますが、よくわかりません。「灯籠の下の方を見ると、一部凹んだ形です。これは、キリシタン燈籠で、縦と横を見ると十字架に見えるでしょ?」と。「うんそういわれてみれば…」祇園祭などで訪れても、全く関心を抱かなかった燈籠です。「教えてもらうと、すごく興味涌くね~」とミモロは、すっかり葛城さんの話に惹きつけられてしまいました。


そこから西に向かい、駐車場の奥に進むと、そこには、社と大きな岩などが。
繁昌神社の由来とも言われる班女塚です。
ここでは、班女に関するお話しがいろいろ。ミモロは、それを聞きながら、そばの大きな木が気になります。


そこから、今度は、南へ。松原通へ向かいました。
「この辺りは、十念の辻と呼ばれた場所で、何を拝んだと思いますか?」とまた質問。「え~わかんない…」とミモロは、首をかしげます。「それは、市中を引き回され、刑場に向かう罪人たちです。平安時代は、松原通…昔の五条通から南は、洛外になります。だから今の五条通、かつての六条通の河原では、処刑が行われていて、そこに向かう人たちへのもの…」「へぇ~」と深く頷くミモロ。

そばにあるのが、「松原道祖神社」です。
 
なんでも、「首途の社」(かどでのやしろ)とも呼ばれていたそうで、「やっぱり首が進む道にあったからじゃないの~」とミモロなりに解釈。

次に一行は、「五條天神社」へ立ち寄ります。
 
「実は、義経と弁慶が出会ったのは、この辺りで、昔は、ここに川が流れ、橋が掛かっていたんです。いま、五条大橋のそばに弁慶と義経のオブジェがあって、そこがあたかも舞台と思われていますが、昔は、あそこは六条ですから…。」
「え~イメージ湧かない…」とミモロ。

では、次へ…「菅大臣神社」です。「ここには、あの菅さんも訪れたんですよ」と。まぁ四国お遍路もなさる方ですから…
 
ここは、菅原道真が生まれ、育った場所。境内には、産湯の井戸があります。「産湯の井戸は、六角形をしてる不思議な井戸です」と。「やっぱり牛がいる…」手水には牛がいました。
そこからすぐの場所に、「紅白梅殿」というかつての邸宅跡が。
  
「なんか小さい…」と、ポツリというミモロ。「あの、この社に住んでた訳じゃありませんから…」と。
梅好きの道真…昔は、ここにりっぱな紅白の梅の木があったのでしょう…。

それから、細い道をいろいろ抜けて、最後は、「神田明神」へ。
 
「へぇ~京都にも神田明神あるんだ~」とミモロ。「神田明神といえば誰でしょう?」と葛城さん。ミモロは、思わず「銭形平次…」と言いそうになり、慌てて口を押えます。「平将門ですね。京都で、首をはねられて、晒された場所です。ここに社を建てたのが、空也上人です」

ここで、今回のミニツアーは終了。ブログには、ごく一部のお話ししか書いていませんが、ほかにもいろいろな興味深いお話しが盛りだくさん。「葛城さんの案内、楽しくて、面白かった~」とミモロ。

今回、巡ったのは、観光客が訪れないような小さな社や地元の神社。「こういう小さな社が、取り壊されないってことは、いろいろ言われがあるって証拠…。なくせない理由があるんだよね、きっと…。でも、小さな神社や祠などは、ガイドブックにも載ってないから、よく知る人と一緒じゃないと、通り過ぎちゃうよね…。だから専門家が案内するミニツアーって楽しんだ~」と、また参加したくなったミモロです。

*ぜひ「まいまい京都」のホームページを見てください。
これからの企画の内容なども掲載。申込みもできます。

 
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