9月27日の夜、「下鴨神社」で恒例の「名月管絃祭」が行われました。
これは、仲秋の名月の輝くもとで、平安時代から秋の稔りを前に、五穀豊穣・天下泰平などを願い、神様に雅楽などの芸能を奉納し、喜んでいただくと「御戸代会(みとしろえ)」の神事を、現代に伝える神事です。
ミモロが、出席するのは、今回が初めて…。下鴨神社の崇敬会に入会したところ、ご招待のハガキを頂いたのでした。
「会員用の観賞席を用意してあるんだって…。絶対行かなくちゃ~!」と張り切って出かけたミモロです。
糺の森には、京都の老舗和菓子店や酒蔵、漬物店などの仮設テントが、訪れる人を迎えています。「今日は、お月見だから…お団子とススキがある~」お月見のムードはかなり高まっています。
拝殿のそばに設えられた観覧席。すでに大勢の人たちが、奉納神事が始まるのを楽しみに待っています。
「はい、会員の方ですね…。あのパイプ椅子のところの好きな席にどうぞ~」と係の方に言われ、ミモロは、なんと最前列に。
まさに舞台がよく見える特等席です。
「下鴨神社の崇敬会に入って、なんか得しちゃった気分…。これも神様のお蔭…」と、席を決めると、本殿に感謝のため参拝に向かうことに…。
拝殿には、お月見飾りが美しく…。「名月管絃祭」が始まる前に、祝詞をあげる神事が厳かに行われ、拝殿においてもお琴と尺八の演奏が奉納されました。
それが終了し、いよいよ「名月管絃祭」がスタートです。
「松明つける儀式だって…」舞台の脇に立てられたかがり火…その灯りが、周囲の闇を照らします。
まずは尺八の演奏から…。
「すごい~なんていい音色なんだろ…こういう場所で聞く尺八って…いいねぇ~。尺八って、横笛みたいに美しいメロディーが演奏できるんだ~」とウットリするミモロ。「新都山流」の奏者が、本曲「寒月」を奉納します。
次は、管絃で「越天楽」などを「平安雅楽会」が奉仕。
「なんか平安時代にいるみたい…」と、目の前の雅な様子に見とれます。
筝曲の奉仕は、「錦綾子社中」の皆様。「あ、みんな知ってる曲…」とミモロもいっしょに口ずさむのは、「ふるさと」「宵待ち草」などの夏の唱歌。そして「こういうアレンジもいいね~」と尺八を合奏したのは、あの有名は「アメージンググレイス」です。「神社で讃美歌聞くとは思わなかった…」とミモロ。宗教を超えて、人の心に沁みる「生きる喜びと希望」を願いアレンジされたものです。
そして、ミモロが、今回もっとも感動したのは、「旭洋会」の奏者による筑前琵琶の「関ヶ原」と「曲垣平九郎」の物語です。
闇に浮かぶ舞台…その中央で琵琶を奏する姿は、なんとも幽玄の世界へいざなうもの。初めて、琵琶の演奏を聴いたミモロは、ただただ感動しています。「琵琶ってすごく迫力あるし、また切ないねぇ~」と。琵琶の音色で、物語の情景を描写し、澄んだ声が、物語を語ります。「平家物語を聞いて、涙する平家の人たちの気持ちわかる~」とミモロは「耳なしホウイチ」のお話しを思い出しているようです。闇に響き渡る、琵琶の低い音色…本当に感動的です。
ふと見上げると、夜空には、うろこ雲…。その隙間に、満月が顔を出します。
「スーパームーンなんでしょ?このお月さま…日本の楽器の音って、名月によく似合うね~」
すばらしい演奏に耳を傾けながら、月を眺めるとは…なんとも贅沢な秋の夜…。
さらに、尺八の本曲「夕月」、お琴による「宇宙の詩」と「花は咲く」が次々にご奉仕されます。
東日本大震災復興を願う曲は、観客の心に強く響くメロディー。最近の多発した自然災害の被害を受けた方々への応援の思いとも重なります。「あの栃木や茨城なんかで洪水の被害にあった方々…どうしてるんだろ?」と、最近ニュースで報道されませんが、家を流された方が多いのが、気にかかります。
最後は、舞楽で「萬歳楽」「還城楽」「青海波」と、人々と平安時代へとタイムトリップされるような舞台が…。
「こんな素敵なお月見初めて~」と、ミモロ…「京都っていいねぇ~」と改めて思います。
空に輝く満月を眺めつつ、糺の森を歩き、おうちへ…
「素敵な夜だったね~」と、心に残る下鴨神社の「名月管絃祭」でした。
「今度は、10月9日に繁昌大国祭っていうのがあるんだって…また来なくちゃ…」と、秋は、祭が京都の人々の暮らしに、パワーをもたらします。
*「下鴨神社」の詳しい情報はホームページで
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