京都の繁華街、三条通は、新しいお店と老舗が、混在する楽しい通り。ミモロは、この通りが大好きで、よく歩いています。ある日、前から気になっていた赤い暖簾がさがるお店へ立ち寄ることに…
町家の構えのお店
暖簾には大きく「紙」の文字が染め抜かれています。
ここは、「都産紙」という紙屋さん。京都には、紙専門のお店が、いろいろあり、それぞれ得意分野があるのです。
例えば、江戸時代から続くような老舗は、お寺や神社などへ、さまざまな用途の和紙を納めています。
このお店は、昭和23年創業で、創業者のおじい様は、印刷屋さんを営んでいたのだそう。もちろん、今も、紙の販売以外に、それにさまざまな印刷もしています。
「あの~どういう印刷してるんですか?」と、ミモロは、お店にいらした店主の金平満さんに伺います。
「そう、たとえば、お店で使う包み紙なんかも多いですね~」と。
「なるほど~包み紙って、お店の名前なんか印刷してますね~」と、改めて思うミモロでした。
小売店の多い京都…包み紙は、必ず必要なもの…その需要は多いものと思われます。
「ここには、あらゆる種類の紙が揃っているんですよ」と。京都の町家らしい奥行きのある店の大きな棚には、さまざまな種類の紙が平積みにされています。
「ホント、たくさんある~」
店の奥の方を覗いても、そこにも紙の棚が続きます。
「こういう紙が欲しいと言ってくだされば、ご用意しますよ~」と。
「あの~短冊みたいな細長い紙で、ちょっと厚めなの探してるんですけど…」とミモロ。
「どんなサイズが必要なのか言ってもらえれば、それに合わせてカットしますよ」と。
お店には、紙を切る大きな断裁機が…。
「1枚分の紙をあらゆるサイズにカットできますが、あまり量が少ないと断裁するごとに費用が掛かるので、もったいないですね~」と。
「う~そうだよね~」とミモロ。「こちらの中に合うのがあるとお得ですよ」と店先に並ぶ品々へとミモロを案内してくれました。
そこには、断裁機で短冊やハガキ、名刺サイズにカットされたいろいろな紙が並んでいます。
これらは、大口注文などでカットした紙の端紙です。
「以前は、こういう端紙は使いようがないと思って、業者に引き取りに来てもらったんです」とご店主。
店の一角には、カットされた紙がダンボールにたまっていました。
「あ、紙屑」とミモロ。「いいえ、紙は、リサイクルできるものですから、クズじゃないんですよ…」と。
昔から、紙は、優れたリサイクル素材なのです。溶かして、別のものに生まれ変われる素材です。
「あ、失礼しました~」とミモロ。
ある程度枚数があるもの、大きさがあるものを、まとめて店頭に置いたところ、多くの人が興味を持って、買ってゆくことに。
「もったいないですからね~。まだまだいろいろな用途に使えるものばかりです」と。
用途は、購入した人次第…メモに使ったり、名刺にしたり…ハガキにも…。
「すごく安く買えるんだ~」「そう、まぁ、一般の方にも紙に興味を持ってもらいたいし、ここは人通りが多いから…気軽に買えるものを…」と。
三条通を散策する外国人観光客も、日本の紙に興味津々。立ち寄っては、手に取っています。
普段は、店頭にだれもいないので、御用の方は奥に声をかけるようサインが…。
「これ英語版も必要かも…」
ミモロが店先にいると、「これで名刺作りたいんですけど、すぐに印刷してもらえるところしりませんか?」と外国の方。
「あの~それなら…」と説明する金平さんのそばで、英語で説明するモロです。
外国人観光客は、日本人観光客より、滞在日数が長く、その間に、日本らしい工芸品などでオリジナルのものを作りたいと思っている人も多いようです。
「また、ちょくちょくお店を覗いて、ミモロが欲しいものに出会えるのを待ってま~す」と、お店を後にしました。
*「都産紙(みやこさんし)」京都市中京区三条通富小路東入ル 075-221-3233 営業時間:9:00~17:00 土・日曜・祝日休み
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