北野天満宮のそばにある「高津古文化会館」は、時代劇が生んだ美術館。日本の映画、テレビで製作される時代劇の多くの小道具、衣装を手がける高津商会が、長年収集した歴史的道具、衣装、美術品などを展示する、時代劇ファンなら一度は訪れたい場所。
そこで、年に何回か行われる特別展、この秋は、10月18日まで、「纏う美・甲冑ー武士の心意気」をテーマに、江戸時代の武将の甲冑を中心に、南北朝、室町時代の見事な品々が展示されています。
館内では、まず3階へ。「う~わ~見事~」
そこに飾られていたのは、重要文化財の甲冑を復元したもの。その美しさと迫力に圧倒されるミモロです。
そして、続いて4階の展示室へ移動します。
ガラスの展示スペースに、ズラリと並ぶ甲冑は、江戸時代の作を中心に、南北朝、室町時代のものなど、その時代の本物が、30点以上が展示されているのです。
「これだけ、揃ったものを、こんなに身近で見られるってないよね~」と、ただ感激。
今回は、特別に許可を頂き、館内の撮影をすることに…。
室町時代の胴丸。
甲冑は、時代と共に変化してゆきます。実際の戦いが行われた時代のものは、技術の進歩で、より動きやすく軽量化されますが、、鉄砲の登場により、胴の部分などへの防弾処置も施されます。
そして、江戸時代…戦いがなくなった時代でも、甲冑は、武士の心意気を示すものとして、大名などの武将の家に伝えられました。
「日本の甲冑ほど、美しい甲冑は、世界に類を見ないんです」とおっしゃるのは、この会館の学芸員の雨宮先生。
真田紐、漆、金具、錦、錺など、日本の技術を結集して作られた甲冑は、その美しさは、まさに芸術品。
「西洋の甲冑は、金属で全身を包み込む感じで、機能性が目立ちますが、日本のものは、そこにそれを纏う武将の美意識が強く感じられます。」と。
江戸初期の「金唐革襷懸南蛮胴具足」当時、流行した南蛮文化の影響を映した甲冑。その自由な発想と、それを支える技術に目を見張ります。
これも江戸時代中期の甲冑。時代を経て、紐の色彩は色あせたものの、当時、どれだけ華やかで美しいものであったかが、想像できる甲冑です。
日本の武将の甲冑が、独自の発展を遂げたのには、武士全体に高い美意識があったことがうかがえます。
また、どう考えても、実際の戦いには、適さないような大きな装飾を施した兜などを見ても、そこに神がかりの力を求め、敵を威嚇すると共に、それを纏う武将自体の一種のカリスマ性を、配下の武士たちに示し、士気をあげる役割もあったと思われます。
「ホント、美しすぎる~戦いの場にもったいなくて持ってけないよ~」とミモロ。
矢をいれるケースには、螺鈿が見事に施されています。
「武将の人たち、ホント、発想が豊かだよね~。これかぶってたら、思わず、今なら笑っちゃうかも…」と失礼な発言。
「だってウサギさんだよ~」
いずれも「銀箔押兎形兜」です。なんでもものすごく強い兎がいたそうで、その力をいただく兜です。
「今、アニメの主人公のコスプレが人気だけど…こういう美しい甲冑を纏うことで、武将たちも、別の人へと変身したんじゃないかな?」とミモロ。
大切な命をかけて挑む戦場…そこには、敵、味方、それぞれの人への畏敬の念が、昔の日本の戦いには、込められていたのではないかと想像されます。
「今の戦争って、姿を見せず、ミサイルや爆弾で、簡単に人の命を奪う…もっと命の大切さを思ったら、あんなに簡単にできないよ~」とミモロは、最近の世界のニュースを思い出し、憤慨しています。
「こんな目立つ甲冑を纏うということは、それだけ覚悟もあるってことだよね~戦いも美しくありたいっていう武将の心意気かんじるね~」と。
まぁ、どんなに美しい甲冑でも、戦いの場で使わず、飾られるものである世の中を望みます。
「ミモロちゃん、甲冑を着用できる体験してみませんか?」と、言われ、「え~着られるの?」と目を輝かせます。
時代劇の衣装を担当する「高津商会」。映画などに使われるものと同様の甲冑を着られるのです。
「着たい~」とミモロ。では、さっそく体験へ参りましょう。
*「高津古文化会館」のくわしい情報はホームページで
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