昨年、秋から、「粟田神社」のお神輿は、平成の大修理に入りました。
江戸時代末の作と言われるお神輿は、今まで、部分的な修復は何度もされてきましたが、神輿を解体しての修復は、初めてとか。
彦根にある文化財修復を手掛ける「早野錺金具」により、進む修復作業。
修復の中で、漆塗りの部分は、やはり彦根で、同じく文化財や骨董の修復をなさっている塗師 中嶋誠作さんにお願いします。
「粟田神社」の神輿会の方々に同行し、見学させてもらっているミモロ。
「早野錺金具」で修復作業を見学したのち、塗師の中嶋さんのところも見学させていただきました。
彦根仏壇塗師のお父様のもとで漆芸を学び、ご自身も彩漆の研究・開発をなさっている中嶋さん。
経済産業省認定伝統的工芸品彦根仏壇塗師として、伝統工芸士となられ、さまざまな神社仏閣の修復をなさっています。
工房では、漆塗りの工程や作業についてお話を伺いました。
神輿会の方々も、ここを訪れるのは初めてだそうで、熱心に耳を傾けます。
「わ~漆がはがれてる~」。ミモロが見たのは、長年、多くの人たちに担がれて漆の部分が剥げ落ちた神輿のパーツです。
古く剥げ落ちた漆の部分をまずは削り、そこに新たに漆を塗ってゆきます。
その工程は、何度も漆を塗っては研ぎ、塗っては研ぎを繰り返す、根気のいる作業。
「こんなに何回も繰り返すんだ~」ミモロの前に置かれた塗りの工程を表すサンプル。
漆を何度も塗り重ねることで、深みのある色と共に、強度も増してゆくのです。
「わ~きれいに塗れてる…」漆が塗られたパーツ。それをそばにあった炭で表面を研ぎ始めました。
炭は、水に漬けて使います。
「炭もいろいろあって、工程によって、粒子の細かさを選んでいます」と中嶋さん。
「わ~せっかくキレイなのに…」
炭で研がれた部分は、艶が消えて、マットな状態に…。
そこにまた漆を重ねてゆくのです。
「粟田神社さんのお神輿の漆も何度も塗り重ねられていて、昔の職人さんの丁寧な仕事がわかります」と中島さん。
そう、修復作業は、さまざまな職人さんにとって、先人の技を知る貴重な機会になるのです。
現代のように、さまざま便利な工具などもなかった時代。そこに当時の職人さんたちの確かな技と心意気を、改めて学べるのだそう。
神輿も、新たに作る場合、昔の神輿を知ることで、そこにさまざまな技術を施すことができるようになります。
神輿の塗りも、強度を増すために、麻の布を貼り、その上から漆を塗ってゆくという技術も使われているそうです。
「あ、その技術、お椀の縁の部分に使われてる技術といっしょだ~」とミモロ。
「おや、よくご存じですね…」と中嶋さん。
さて、見学を終えて、神輿会の方々は、京都に向けて出発する時間になりました。
「本当に、修復で、神輿のいろいろな部分を知ることができて勉強になります。ありがとうございました」と神輿会の皆さんは、お礼を言って、車に・・・
「あれ、ミモロちゃんがいない…」
ミモロは、中嶋さんに、陶芸工房を見せてもらっていました。
実は、中嶋さんは、塗師であると共に、陶芸家でもあるのです。漆の工房に隣接した陶芸工房。ここで作品を制作すると共に、陶芸教室もなさっているそう。
「あ、ごめんなさい・・・陶芸工房見学してたの~」と、慌ててみんなのところに戻るミモロ。
車で京都に向かいながら、「秋の粟田神社の大祭、楽しみだね~。どんなお神輿になって戻ってくるんだろ?」
きっとこの写真より、ピカピカに輝く姿を見せてくれることでしょう。
また、今まで擬宝珠だった屋根の上が、新たに鳳凰が設置されるそう。
「ということは、高さが増えることになって、拝殿に入れるの大丈夫かな~」と、やや心配そうな神輿会の方々。
「まぁ、どうにかなるでしょ…」と・・・。実際に神輿が来てから考えることになりました。
京都、東山の「粟田神社」の大祭は、今年は10月10日。
装い新たなピカピカのお神輿を見に、ぜひいらしてください。
「ねぇ、その前に、7月30日には、境内でビアガーデンするんだよね~。また行かなくちゃ~」
夜18時から、境内を開放し、氏子だけでなく、だれでも参加できるビアガーデンを行います。
「カラオケしたり、みんなで盛り上がるんだよね~。楽しいよ~」と常連のミモロでした。
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