あれは、7月の半ばのことです。ミモロは、岡崎の「ロームシアター京都」に出かけました。
もちろん何度もその前を通り過ぎているミモロですが、実は、ホールの中に入るのは、今回が初めて・・・。
「ロームシアター京都」は、今年1月10日にオープンした京都の新たな文化芸術の拠点。
ここには、前に「京都会館」という1960年にできた全国に先駆け多目的ホールがありました。
その設計は、「モダニズム建築」で知られる建築家 故前川國男です。
シンプルで力強い直線、洗練されたモダンな雰囲気の建物で、京都生まれの人なら、必ず1度は訪れたことがある、市民に愛されたホールでした。
歳月が流れ、50年・・・その建物には、老朽化が目立ち始め、また近年のイベントやコンサートの演出のニーズの多様化により、ホール機能が応えられなくなっていました。さらに来場者のホールへの要求もより快適性を求めるようになり、施設全体の改装が必要になったのです。
そこで、約5年計画で、その再建が進められたのです。
「全体の雰囲気って、昔の面影あるよね~」とミモロ。
モダニズム建築の傑作」と評された「京都会館」。その美しさを継承しつつ、平成のホールとしての近代的な機能を備えたものに生まれ変わったのです。
「明るくて広々したスペース・・・気持ちいいね~」
大きなガラス窓が囲むエントランスやロビーなどは、まるで屋外にいるような解放感に溢れています。
建物の解説や歴史などを知らせるビデオなども放映されています。
「お席に着く前に、ホール見学しよう…」と、ミモロは、トコトコとホールの探検に出かけます。
2階のロビーからは、周囲の景色が一望。休憩できるスツールが窓辺に並んで、コンサートなどの始まるまでの時間ものんびり。
「平安神宮の建物が見える…」
インテリアは、やはりモダンな感じ・・・・。
「トイレもすごく広くて、たくさんあるから、あまり待たずに使えるみたい・・・」
コンサート会場のトイレは、休憩時間に利用者が集中。特に女性のトイレは、長い列ができます。
「でも、ここなら、そんなに待たないかもね~」
さぁ、そろそろコンサートが始まります。ミモロ、お席に着きましょう。
ミモロが訪れたコンサートは、西本智実さん指揮、京都市交響楽団による G.ヴェルディ「レクイエム」です。
この演目は、独唱でソプラノ 石橋栄美さん、メゾソプラノ 福原寿美枝さん、 テノール 小餅谷哲男さん、バスバリトン 三原剛さん、そして合唱に280余人の市民参加、自主運営の合唱団が出演します。
実は、この市民合唱団「京都ミューズ・ヴェルディ・レクイエム合唱団2016」のメンバーにミモロのお友達がいるのでした。
1月から毎週練習した合唱団。「ミモロちゃん見に来てね~」と、チケットを手配してくれました。
コンサートは、ヴェルディの歌劇「運命の力」序曲。そして「レクイエム」へと続きます。
ヴェルディは、19世紀イタリアのオペラ作曲家。87歳の生涯で50年にわたり数多くのオペラを作曲したのです。ドラマティックな作品は、イタリア人の魂と評されるもの。
ミモロは、初めからその魅力の虜に・・・。
「レクイエム」は、1時間以上にわたる大作で、合唱団は、その間、ずっと舞台に立ち続けます。
「すごく歌うパート多いね~みんなよくイタリア語覚えられたね~」と。合唱団は、すべて暗譜しています。だれも楽譜を持っていません。合唱団の参加者の年齢幅も広く、20代から80代。初めて合唱に参加したという人も多いそう。
ミモロのお友達も60代。合唱も2年前くらいから突然始めたのでした。
「でも、すごい~」とミモロ。
「西本智実さんってかっこいい~」と、指揮台で大きく体を動かして指揮する西本智実さんに釘付けのミモロ。
約半年前から練習をしはじめた「レクイエム」。今年は、ヨーロッパ各地でのテロも多発。多くの命が失われる悲劇が起こっています。
「なんかその慰霊のための曲に聞こえる…」とミモロ。
きっとこのコンサートを聞いた人たちの多くは、同じような思いを抱いたのではないでしょうか?
「世界が平和になって・・・罪もない人たちが、命を落とす悲劇がなくなりますように・・・・」ミモロは、コンサートを聞きながら、心の中で祈りました。
コンサートを聞き終わりホールの外へ
ミモロ、どうだった?
「うん、すごく感激しちゃった~」
と言葉少なく・・・コンサートの余韻に浸っているようです。
「平安神宮にお参りして帰ろう・・・神様に平和をお願いしてくるの…」とミモロ。
本当に、素晴らしいコンサートでした。
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