ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

大雨の「五山の送り火」。ビショビショになりながらのご精霊送りに・・・

2016-08-17 | 祭事・神事・風習

8月16日は、京都ではご先祖様をお見送りする「五山の送り火」が灯されます。

今年、昼間は、猛暑で、お日様もギラギラ・・・。それぞれの山で、送り火の準備をするみなさんは、汗びっしょり。
山での火床の準備のために、ふもとから山へ松明などを運ぶのも大変です。

「五山の送り火」は、夜8時に東山の「大文字」つまり「大」の字から、約5分おきに「妙法」など、市内の北から、西へと順次点火されていきます。

ミモロが住む下鴨神社のエリア、出町柳は、「大文字」を拝む絶好のポイント。
夕方から、鴨川の西岸には、多くの参拝者が訪れ、ゴザやシートを敷いて、のんびりくつろぎながら、「大」の文字が浮かび上がるのを楽しみに待っていました。

昨年、ミモロもお友達を鴨川やそこにかかる御蔭橋から「大」の文字が赤々と灯るのを拝みました。


「やっぱりこの灯は、神々しいね~。ありがたくて、思わず手を合わせちゃう…。どうぞご先祖様、あちらに戻られても、ミモロたちを見守ってくださいね~」といいながら、灯りを拝むミモロです。


御蔭橋からは、「妙法」の文字もよく見えます。


「2つ拝めてよかった~」と嬉しそうなミモロでした。


さて、今年も「五山の送り火」を拝むのを楽しみにして、家で、夜になるのを待っていたミモロ。
テレビでは、特別番組「五山の送り火」が始まりました。


今回NHKは、30台のカメラを準備し、完全密着で、「五山の送り火」の背景やそれにかかわる地元の人たちの思い、さらに点火される場所からの実況放送の特別番組を放映したのでした。

ところが実況が始まったころから、雲行きは怪しくなり、なんと大粒の雨が激しく降り始めました。

「わ~すごい雨・・・」見物に行こうとしていたミモロは、窓のそとの雨にビックリ。
「え~8時までにやむといいけど…」と、心配そうにベランダから外を見ています。

いよいよ「大文字」が点火される8時が近づきました。
そこでミモロは、「大文字山」が、昼間作業していることもわかる大きくはっきり見える場所に出かけました。

「わ~ん、すごい雨・・・」

大きな傘を差しても、雨のしぶきがミモロにかかります。
「ねぇ、お山どこ?」と、昼間はっきり見えた山の姿もわかりません。
「あっちの方向だよね~」といくら目を凝らしても、山の稜線すら見定めることができないのです。

「あれ!もう8時過ぎてる…今日、中止?」
いいえ、「五山の送り火」は、決して中止することはありません。なにせご先祖様を送る仏事なのですから…。

平安時代、また江戸時代と言われるその起源。近世になってから、脈々と行われたご精霊送りの「五山の送り火」。
点火されなかったのは、1943年から1945年、戦時中で、灯火管制が行われていたときです。
「B29に狙われちゃうものね~」

どんな嵐になっても、点火されてきた「五山の送り火」。

ですから、昨日も、時間通りに点火されていたのです。でも、あまりの雨の激しさ・・・
送り火の点火場所の中でも、高い位置にある「大」の字は、厚い雨雲にさえぎられ、地上から見ることが難しい状況に。

「もう見えないかも…」ミモロ同様、雨の中に立っていた人たちにあきらめのムードが広がります。
そしてひとりふたりとその場から、家に戻っていきました。

「もしかして、『法』の字なら見えるかも…」とミモロは、傘を握りしめて、「御蔭橋」へと向かいました。
毎年、大勢の見物人で、とても川のそばには立てないのですが、さすがにここでも、それほど多くの人はいません。

ミモロは、しばらく橋の中ほどで、高野川の川上を見つめていました。
「あ、なんか明るくなってる…もしかして送り火じゃない?」
激しい前が、目の前を遮る中、確かに川上が明るくなっています。

「きっとあれ、「法」の字だよ~」と。

それから、しばらくその場で、「法」の字の方向に手を合わせていると、
「わ~見えてきた~。ほら~」と、ミモロが大きな声を。
確かに、雨の煙るなか、「法」の文字が見えました。


点火する位置が、「大文字」ほど高くないためか、曇の影響が少なかったのもかもしれません。

「ありがたいね~」そういうと、ミモロは、送り火に向かってじっと手を合わせ、お詣りしています。

ミモロの体は、すでに雨でビショビショ。
でも、送り火を点火しているみなさんは、全身ずぶ濡れのことでしょう。
なんとか点火しなくては・・・という強い思いがこの日の「送り火」には、例年よりもさらに強く感じられました。

「ありがたいね~」と繰り返すミモロ。

激しい雨で、「五山の送り火」は、はっきりとは拝めなかった今年、
「こんな年は珍しい…」と多くの京都の人たちが口にします。

よくは見えなかったけれど、確かに点火された「五山の送り火」。

「ご先祖様、帰りたくなかったのかな?それとも、みんなに思ってもらえたうれし涙かな?」とミモロ。

激しい雨は、京都の町をまるでシャワーで清めたよう。

大量の雨は、山々の木々を蘇らせ、家々の庭木や花々にも恵みをもたらしたよう。

連日の猛暑日で、すっかり元気な失くしていた植物たちに、「きっとご先祖様たちの贈り物かも…」と思うミモロでした。

それにしても、送り火の点火などに従事された多くの皆さんのご苦労。そしてそれを成し遂げたことは、「金メダル」にも相当するもの。

本当にありがとうございました。

「きっと来年は、送り火見られるね~」




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