ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

昔懐かしい品々のお里帰り。「京空間mayuko]での「大化堂と嫁入り道具里帰り展」の最終日へ

2017-07-03 | イベント

ミモロが、よくお邪魔する醒ケ井仏光寺の町家「京空間mayuko].そこでつい先日まで開催されていたのは、現在7代目となる呉服商を商い、また着物作家でもある黒田家とご縁の深い展示が行われました。
「こんにちは~。伺うの遅くなっちゃった~ごめんなさ~い」とミモロ。

玄関を入ると、そこには素敵なお着物が展示されていました。
 
「わ~きれ~い!」と、美しい振袖や帯に見惚れるミモロです。

このお着物は、黒田家の5代目の妹さんが川瀬家にお嫁入りしたときに持参した嫁入り道具の一部です。
時は、昭和17年ぐらい・・・持参した素晴らしいお着物の数々は、戦争へと進む時代、あまり着る機会もなく、そのままお蔵の奥に仕舞われていたものだそう。
「へぇ~昔の京都の大きな商家のお嫁入り道具って豪華だったんだね~」と、驚くミモロ。
お嬢様のお仕度に、親御さんの気合いと財力が伺えます。

戦時中には、厳しい食糧事情から、お嫁入り道具のお着物などは、次々に食べ物に変わったそう。そんな中でも、どうしても手放せなかった品々が、これらのお着物といえるかもしれません。それだけに、見事な作り。当時の職人さんたちの技が集約された見事なお着物です。

「ミモロちゃん、こんなもののお蔵から出てきたのよ~」と、ミモロの前には、お嫁入りの時か前に交わされた家族構成などを示す書類です。
厚手の紙を折り畳み、丁寧な文字で、書かれた家族のお名前など。
「へぇ~こういうものもお嫁入りの時あったんだ~」京都の暮らしの歴史を知る貴重な資料です。

お蔵には、ほかにもいろいろなものが納められていたそう。
「これ昔の電話帳?」電話がまだ珍しかったころの電話帳で、そこには、今も残る老舗の名前も見ることができます。

さらに、女大学と書かれた古~い書物もありました。
 
そこには、女性の生き方を示すさまざまなお話や、暮らし方のアドバイスが書かれています。
「文字が難しくてよく読めないけど・・・でも、昔の女の子は、読めたんだ~偉いね~」

戦前、日本ほど識字率(文字が読める人の数)が多い国はないほど、教育水準が高かったのです。江戸時代は、寺子屋が庶民の教育の場であり、明治以降は、小学校の全国設立で、非常に教育が庶民にまで行き渡った国だったのです。

今回の里帰り展の品々は、川瀬さんと妹さんの杉本さんのお母様のお品です。

それをお母様のご実家の黒田家に里帰りさせた展示です。

さらに、川瀬家は、明治27年、河原町五条上がるで、当時ハイカラな舶来雑貨店「川瀬 大化堂」を創業。戦争につき進む昭和16年まで営業。そして、戦後、再び創作雑貨などを扱うお店として現在に至ります。

ハイカラ好きの京都人。欧米から取り寄せた品々は、当時憧れの品。
「これ英国製の山高帽・・・へぇこんな風になってるんだ~。名探偵ポアロがかぶってる帽子だよね~」と。この山高帽は、閉店の折に店に残った品で、その後お蔵の中へ。

当時は、オーダーシャツの縫製も手掛け、その技術の高さがよくわかる品も残っていました。
 

そのシャツなどを作ったミシンやアイロンも。すでに錆び付いていますが、戦前の偲ぶ貴重な品です。
 
アイロンには、炭を入れる部分があり、「え~炭のアイロンなんだ~ある意味の省エネになるかも…」とミモロ。

そのアイロンより前に和服の縫製などに使われたのは、このタイプ。
「う~重い~」時代劇に出てきそうな品です。

「ミモロちゃん、こんなものも蔵にあったんですよ~」と見せてくれたのは、ライオン製の歯磨きと、「日光洗髪粉」というシャンプーです。
「わ~すごい、こういうのすごく貴重な品だよね~」とミモロ。

今も歯磨きの大手メーカーのライオン社でしょうか?当時は、本当にリアルなライオンの図柄です。そして「日光洗髪粉」は、なぜか日光東照宮の図柄・・・「ピカピカに輝くって意味から日光なのかなぁ~」と推理するミモロ。パッケージには、なんと海水でも洗えるとの表示。「わ~今のシャンプーより優れものかも…。ホントに毛並ピカピカになるのかなぁ~」と興味津々のミモロです。

お蔵は、しばらく誰も入らず、整理もされなかったため、昔の品がそのまま保存?放置?されていたのが、かえって貴重な品を残すことになったようです。
「昔の方が、断捨離好きじゃなくてよかったね~」と思うミモロでした。

これも貴重なポスター?

戦前に南座で行われた「活動写真大会」のポスターです。時代劇と西洋映画のシェークスピアの「ハムレット」です。オフェリアは、織江姫という名になっています。どうも入水する場面が見所のよう。
まだ西洋映画が上映できる時代のものです。

こういう民間の暮らしに密着した品が残るのは、本当に貴重なこと。
「もっといろいろあるんですよ~」と川瀬さん。「あの~ミモロ、見に行きたいです」と、図々しくお願いするミモロ。
「すごく埃溜まってますから、マスク忘れずに・・・どうぞ来てください」と。
そこで、また日を改めて、近々に伺うことになりました。
「わ~楽しみ・・・なにに会えるのかな・」と今から期待にワクワクするミモロです。

最後に水無月のお菓子とお茶をいただいて、「またね~」と手を振ってお別れ・・・。
 
ここは、ミモロの大好きな場所のひとつなのです。





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