7月16日の「祇園祭」の宵山の夕方。ミモロは、京都の老舗のお友達に連れられて、人で賑わう町へと出かけました。
「日曜日だから、すご～く混んでるんじゃないの～」とちょっと心配しながら…。
そう、今年の「祇園祭」の前祭りは、3連休に恵まれて、例年を上回る人出。四条通や烏丸通は、夜になると、交通規制で歩行者天国に。山鉾が建ち並ぶ、新町通や室町通は、人の流れが一方通行になります。
「長刀鉾で厄除け粽買うのに、1時間以上待たないとダメなんだって～」とお友達の情報。
すでに宵山では、各山鉾で、粽の売り切れが相次ぎました。
この日、ミモロがお友達に連れて来てもらったのは、ある山の会所です。
「ミモロちゃん、こっち～」と、会所で飾りを見る観光客をかき分けて、お友達は、その奥へと進みます。
通行止めのところを抜けて、さらに奥へ。
「いらっしゃいませ～。ようこそ～」と、そのお家の方。「お久しぶりでございます」とお友達。ミモロは、その脇で、おとなしく立っています。「こちら、京都のいろいろなことをレポートしてくれてるネコのミモロちゃんです」とお家の方に紹介され、「初めまして、よろしくお願い致します」と、ご挨拶します。
「どうぞ、お座敷に…」といわれ、ミモロたちは、お家の中へ。
素敵なお庭に面した広いお座敷に通されました。
そこでまずは、冷たいお茶をいただきます。「わ～素敵なお座敷～」。床の間には、掛け軸や花が飾られ、すだれが掛かる縁側が涼を誘います。
通りの喧噪から、かけ離れた静けさ。「お祭りなのにここは、すごく静かなんだ～」とミモロ。
やがてミモロたちの前には、お料理が…。「どうぞ・・・よかったら召し上がってください」と、お皿には、鯖寿司、お赤飯、野菜の胡麻和え、お漬物などが品よく盛られています。
「あの～頂いてもいいの～」とお友達に聞くミモロ。「どうぞ～。祇園祭の時は、親しい方などをお招きして、おもてなしするんですよ～」とお友達。
「そうなんだ～。山鉾見物するのがお祭りだと思ってた～」とミモロ。
なんでも山鉾町の大きな商家などでは、昔から、祭りに親族や親しい人を招き、お料理などをふるまうおもてなしがなされるのだとか。
通りに面する格子から、外の祭りの様子を眺めるのだそう。
「観光客では味わえない、祇園祭の楽しみってあるんだ～」と、まだまだ知らない京都の暮らしがそこにありました。
また、今でこそ、大勢の観光客が押し寄せる「祇園祭」の後祭り。山鉾巡行が、前祭りと後祭りがいっしょになる前の時代の後祭りは、見物人も少なく、のんびり見物したのだとか。
「そんな時代もあったんだ～」
約1時間ほど、のんびりお座敷でお家の方とお話を楽しんだミモロたちは、人で賑わう町へと再び。
「わ～すごい人出だね～」と、ミモロは、お友達とはぐれないよう必死に人の波をぬって進みます。
「ミモロちゃん、できるだけ、大きな通りにでないように歩きましょ」と。
そして到着したのは、縁結びのご利益でしられる「保昌山（ほうしょうやま）」です。
「やっと着いた～」この山は、四条通の南側で、烏丸通の東側に1基離れてある山。
平安時代の武将、平井保昌が、恋多き平安歌人の和泉式部との恋を成就させたことに因み、縁結びの山といわれ、多くの女性たちが訪れるところです。保昌と和泉式部が、結ばれたとき、彼は55歳、彼女は、35歳という晩婚カップル。
和泉式部は、4人目のお相手です。「いつまでもご縁を諦めちゃいけないってことだよね～」とミモロ。
「そうよね～。私も頑張る～」とお友達。
「待って～ミモロ、お守り買うから…」と会所でお守りを２つ買ったミモロです。
「はい、いいご縁がありますよに～」と、ひとつをお友達にプレゼントします。
「お守りって、ほかの人に贈るといいんだって～」と。「ミモロの念も入れといたから～」「ありがとう～」小さなお守りにお友達への感謝と幸せを念じたミモロです。
さて、17日の午前中は、いよいよ「山鉾巡行」が。そして18時ごろから、「八坂神社」の神輿の神幸祭が行われます。
「八坂神社」の舞殿に並ぶ3基の神輿。
いよいよ町を巡り、四条河原町の御旅所で後祭りの24日までお過ごしになります。
巡行に先立ち、神輿に参拝したミモロ。今年は、どこで山鉾と神輿の巡行を見物するんでしょうか？
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