ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

京都の町中の蔵元「佐々木酒造」。4年連続、金賞に輝く「聚楽第」

2018-02-21 | ものづくり

京都は、日本酒の蔵元が多い町。特に伏見は、多くの蔵元が集まっています。「でも、京都の町中にはも蔵元あつんだよね~」と、ミモロが出かけたのは、二条城の北に位置する「佐々木酒造」です。
 
この場所は、秀吉の時代、聚楽第があり、その南側にあたります。

ミモロは、店内へ。
 
「なんかクラシックな感じ~」店の棚には、「佐々木酒造」のさまざまな種類のお酒が並んでいます。
 
「いろんな種類あるんだ~」一升瓶から小さな瓶まで、ここに来れば「佐々木酒造」のあらゆるお酒に1度に出会えます。

「こんにちは~ミモロちゃん」「あ、佐々木晃さん~こんちには~」
「佐々木酒造」4代目当主の佐々木晃さんです。

「佐々木酒造」は、明治26年(1892)の創業。佐々木さんのお兄さんは、俳優の佐々木蔵之介さんです。「似てる~」と思うミモロです。

佐々木さんにお話を伺うことに・・・。
京都は、兵庫県の灘に次ぐ、日本酒の生産量を誇ります。伏見には、20軒ほどの蔵元が集中していますが、その起源は、京都の町中の洛中にあるんです。

洛中には、室町時代には、なんと300軒の蔵元があり、「佐々木酒造」が創業した明治時代でも、131軒もの蔵元があったそう。でも、当時は、小さな蔵元が多く、都市化が進む洛中において、また規模の大きな伏見の蔵元との競争力において、次第に姿を消し、現在、洛中に残ったのは、「佐々木酒造」だけになりました。


「あの~あの額なんですか?」と店に掲げられた表彰状。
「第105回全国新酒鑑評会」で「清酒 聚楽第」が金賞を受賞したときの表彰状です。

「佐々木酒造」は、4年連続で金賞を受賞しています。大規模な醸造所などを持つ大手酒造メーカーの受賞が当たり前の新酒鑑評会において、「佐々木酒造」のような大規模でない蔵元が4年連続受賞するのは稀なこと。

この全国新酒鑑評会は、独立行政法人 酒類総合研究所が主催。「新酒を全国的に調査研究することにより、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにし、もって清酒の品質向上に資することを目的」にする鑑評会です。
この「全国新酒鑑評会」は、明治44年に第1回が行われました。この鑑評会ができたのは、明治政府の財政を確保するため、その財源である酒税の増収を狙い、それまで品質がまちまちであった酒造りを国立醸造試験所の設立などにより、醸造業の技術の向上を目指すという背景がありました。
「お酒と税金って、深い関わりがあるんだ~お酒たくさん飲んで、税金払ってていうことなのかなぁ~」とミモロ。

さて、平成28年、昨年度の鑑評会には、全国から860点が出品し、金賞酒には、242点が選ばれました。

「あの~どういうお酒が選ばれるんですか?」とミモロ。
「そうですね~。最上のお酒ですね~。香りや味わいなど~。この鑑評会は、酒造りの技術を競う側面が強いので、その時代の酒造りの技術の高さが選考基準になります」と。「あの~美味しいってことですか?」とミモロ。
「う~美味しいかどうかは、飲む人の感覚が大きいですから、金賞じゃなくても、美味しいお酒はいっぱいあるんですよ。むしろ個性的なお酒は、選ばれないかもしれませんね~」と。「そうなんだ~。ということは、金賞のお酒って、味わいが似てるということですか?」とミモロ。「う~それは言えるかもしれませんね~。どの金賞のお酒もその時代の優れた技術で作られている・・・受賞する蔵元は、それだけの技術があるという証なんです」と。

「佐々木酒造」では、昔、2年連続で受賞し、それから10年間、金賞が受賞できない時期が続いたそう。「それは技術不足だったということ・・・」と。そこで金賞を受賞できるように、技術の向上に励んだそう。そして見事に4年連続の受賞に・・・。その努力は、語られることはありませんが、小規模の蔵元では本当に大変なことなのです。
「まずは5年連続で受賞をめざします」と。

「佐々木酒造」を代表する銘酒「聚楽第」。すっきりとした上品な味わいのお酒です。

今後、醸造業界にも、AIの技術が進むことが予想されます。すでにコンピューターでの品質管理が進む大手企業。人の温もりや経験が、AIにプログラミングされる日もそう遠いことではないかもしれません。

代々守り続けた「佐々木酒造」の大切な井戸を見せていただきました。木造の工場・・・天井の窓から光が注ぎます。
 
「大きな井戸~」上質な水が湧く創業以来の井戸です。

ミモロは、お店にある品に興味津々。
「酒粕もある~」 

「あ、佐々木蔵之介さんのポスターもある~」


長男、次男が、酒造りとは関係ない道に進んだ佐々木家。「兄貴たちは、僕がいるからって思ってたんじゃないかなぁ~」と晃さん(笑い)。もしかしてお兄さんたちは、晃さんに家業を任せて大丈夫と思ったからなのでは・・・。

日本酒の売り上げは、昭和の最盛期から激減。全国に1500あるという蔵元は、増えることはないと予想されます。
高い技術力に投資ができる大手の蔵元が、シェアを占める日本酒の世界。町の蔵元の奮闘が続きます。

「酒造りを支えてくださる人たちが頼りです。作る人だけでなく、それを販売してくれる人、また材料を供給してくれる人・・・もちろん飲んでくださる方…。みなさんの力で酒造りが続けられるんです。それを大切にしなくちゃ~」と佐々木さん。

京都の町の蔵元さん。「なんか日本酒飲みたくなっちゃった~。今夜は、鍋に日本酒かな~」と思うミモロでした。



*「佐々木酒造」の詳しい情報はホームページから



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