「エキノコックスの話」
札幌からオホーツク管内の「清里」に28年前に転勤しました。この町で3年間過ごしました。
清里町では町で義務付けられていると見えて、外の町から来た人は採血してエキノコックスにかかっているかどうか調べるらしいのです。
それならば、町に入って来る人ばかりでなく、町外に出ていく人も検査したらよいのにと不思議がっていました。
清里町は斜里岳の麓にあり、自然に満ちた豊かな町でしす。高校のグランドにもキツネが出て、イヌを追いかけているキツネを見たことがあります。
私はエキノコックスの検査をされたことから、清里とキツネ、そしてエキノコックスというものが、私の頭に焼き付いていました。
そして、転勤してきて2年目の春に、担当する学年の生徒と父兄、先生を連れて斜里岳登山を行いました。
その時は一般登山者も一緒でしたが、その中の若い女性が登山しながら登山道の側を流れる川の水をすくいながら美味しい美味しいと飲み飲み私どもと前後して登っています。
川の水はきれいで、飲み水にも良いように見えましたが、どうも心配になり「後で、高い税金を払うことになるよ」と話しかけたのでした。けげんな顔をしていましたが、エキノコックスの話をして納得してもらいました。湧き水ならまだしも、キツネの糞なども入り込むので流れの水は危険があります。
女性の方はどこの町から来られていたのでしょうね。斜里岳の山開きに合わせての登山だったのでしょう。
そして、このごろの話です。札幌のある公園にキツネが住み付いて人や飼い犬に威嚇を繰り返しているとのニュースが全国ネットで放送されました。
イヌが吠える様に「ワン」と吠えるのには驚きでした。威嚇している姿も凶暴そのものです。公園にも糞がたれたままになっており、エキノコックスの心配もなされています。
札幌市は「鳥獣保護法」での保護を理由に、キタキツネ駆除に消極的です。区では公園を使用しない様に住民に呼びかけていますが、使用できなくなった公園を放置する政策で終わらせるのか、疑問が沸いてきます。