11月8日まで「夷酋列像展」 北海道博物館で!
夷酋列像の中のある酋長が、二頭の動物を紐でつないでつれている絵がありました。人物を大きく見せるためでしょうか、動物が小さく貧弱に描かれています。
この絵の前ではたと足は止まりました。ウームこの動物はイヌかと迷いましたが、尾が短かくイヌと考えるのはおかしいと結論し、次にサルかも知れないと考えましたが、北海道の寒い地にサルは住んでいず、どうもサルらしくありません。
残すはクマかも知れないと思ったのですが、二頭の動物は一頭は黒色、もう一頭は白色なのです。白のクマなんて酋長が連れているのはおかしいと思いながらも、この貧弱に描かれた動物か何なのか疑問のまま展示会場内を見ておりました。他の見ている人もこの動物は何なのと言っておりました。
その内、会場内に国後島の成獣の白熊の写真があり、ある酋長が連れている動物は一頭の白色の動物はシロクマの子供の熊であることが分かりました。再び列像のこの酋長絵の前に戻り立ち止まり再確認です。フムフムこれは確かに白熊の小熊の絵なのだ確認したのでした。
この酋長は勢力があったと見えて、国後島の方まで手を広げており、その地から小熊の白熊を手に入れていたものと思われます。
今もそうですが、北海道には白熊の生息はなく、国後島や色丹島に生息しています。成獣は全身が白でなく黒色がかっていますが、小熊の時は全身が白であるとのことで、確かにこの絵の動物は白色の子熊なのでした。
この絵の左側の二匹の動物はヒグマの子熊。
この酋長の勢力が、国後、色丹にまでとどいていた証拠としてこの絵により読み取ることができるのでした。
近年では、ニュースにより国後島の白い熊の姿を見る事があります。むかしも同じだったのでしょう。
★ 北方四島ではヒグマの一割が白い体毛とされている。調査団は国後島に滞在中、延べ8頭のヒグマを確認し、このうち5頭が白い体毛で、親子もいたという。(道新27・9・18)
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