朝夕めっきり涼しくなり、黄金の稲穂をよく見る頃になりました。そんな稲穂が頭を垂れるのを見ると、よく父が言ってた故事を思い出します。
実るほど Q:幸せはどこにあるか知っているか?A:皆身にある。
頭の下がる
稲穂かな
明治生まれで生前の父はよく仏壇に手を合わせる人でした。毎日、般若心経を唱え、信心深い人だと思います。人間の弱さを十分に知っていた苦労人でもありました。そんな訳で私もいつの間にか般若心経のお経をそらんじるようになってしまい、今でも一日1回は声に出しています。お墓参りの時は必ず声に出しご先祖様に感謝の意を表します。お酒も好きで、飲むと「芸者ワルツ」をうたうのが定番でした。{私がいないと座がしらける」が、当時の口癖でした。子供の頃はよく父の膝の中でご近所さんの仲間を集め、鉄の針がついた蓄音機で民謡を聴かされたものです。デカンショ節、ノウエイ節,トンコ節ヤットン節etc。また、自転車の荷台にもよく載せてもらい、酒屋の前にさしかかると立ち寄り、升酒を飲んでいました。当時、一緒に行動したのをなつかしく思います。飲んべえな父でしたが、私はつきたい程度です。
のどかな時代でした。そんなに急いでどこへいく…。
※稲穂を見ると思い出すの下の句です。
実るほど
頭の下がる
稲穂かな
稲穂のついている五円玉も思い出です。当時の小遣いがそれくらいだったかと思います。穴に通してお金を貯めていました。