monoろぐ

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古典の季節表現 春 一月十八日 賭射(のりゆみ)

2013年01月18日 | 日本古典文学-春

かくてあり経るほどに、正月十八日の賭弓の節に、左勝ちにければ、左大将殿に、つかさの次将たち、上達部、親王たち、左、右と遊びおはしたり。設けはになくせられたれば、座に着きたまふ。御机参り、かはらけ始まり、御箸下りぬ。
(宇津保物語~新編日本古典文学全集)

霞しく春の始めの梓弓もろ矢しつるぞ嬉しかりける
あづ さ弓はるの日ぐらし諸人のよに入(い)るまでも遊びつるかな
(永久四年百首~群書類従より)

二十五番 賭射
 左
今日は我君が御まへにとる文のさしてかたよる梓弓かな
 判云、左歌、奏文杖にさす心をかしく見え侍り。
二十六番
 左
心ある射手の舎人の気色かな玉しく庭に鞆音ひゞきて
二十七番
 右
梓弓まうけの矢にや引かるらんはてまで今日はあたりぬるかな
 判云、右歌、儲箭、歌詞によろしからざるにや。
(六百番歌合~岩波文庫)

(承和元年正月)戊辰(十七日) 天皇が豊楽院に出御して、射(じゃ)を観覧した。
己巳(十八日) 今日も天皇が豊楽院に出御して、四衛府(左右近衛府・左右兵衛府)の賭射(のりゆみ)を観覧した。
(続日本後紀〈全現代語訳〉~講談社学術文庫)

(寛元三年正月)十七日癸丑。(略)今日。射礼也。春宮権大夫顕親卿以下参仕。近衛不参云々。(略)
(百錬抄~「新訂増補 国史大系11」)