monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

秋の夕べ

2011年08月20日 | 日本古典文学-和歌-秋

秋はなほゆふまぐれこそただならね荻のうは風はぎのした露(和漢朗詠集)

荒れわたる秋の庭こそあはれなれまして消えなむ露のゆふぐれ(新古今和歌集)

草も木もなべて露けき夕べかな秋のあはれや四方(よも)にみつらむ(続後拾遺和歌集)

さびしさは我が身ひとつにあらねども秋の夕べの袖ぞ露けき(草庵集百首和歌)

さびしさはその色としもなかりけり槇たつ山の秋の夕ぐれ(新古今和歌集)

さぎのゐるそともの梢いろづ きて門田(かどた)さびしき秋の夕ぐれ(竹風和歌抄)

うづら鳴く真野の入りえの浜かぜに尾花なみよる秋の夕ぐれ(金葉和歌集)

君なくて荒れたるやどのあさぢふにうづら鳴くなり秋の夕ぐれ(後拾遺和歌集)

うす霧の山本とほく鹿なきて夕日かげろふ岡のべの松(風雅和歌集)

鹿の鳴くみかさの山は霧こめてふるさとさびし秋の夕ぐれ(柳葉和歌集)

おしなべて思ひしことのかずかずになほ色まさる秋の夕暮れ(新古今和歌集)

ものごとに秋はあはれをわかねどもなほかぎりなき夕暮れの空(六百番歌合)

(2009年10月29日の「秋の夕暮」の記事は削除しました。)

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秋の雨

2011年08月18日 | 日本古典文学-和歌-秋

たちそむる霧かとみれば秋の雨のこまかにそそく夕暮の空(風雅和歌集)

野わきだつ夕べの雲のあしはやみしぐれに似たる秋の村雨(風雅和歌集)

風にゆく峰の浮き雲あとはれて夕日にのこる秋の村雨(玉葉和歌集)

いかにせんぬれぬ宿かす人もなきかた野のみ野の秋の村雨(続拾遺和歌集)

さらぬだに秋のあはれはたえせぬに心ぼそさをそふる雨かな(六百番歌合)

行(ゆ)くへなき秋の思ひぞせかれぬる村雨なびく雲の遠(をち)かた(拾遺愚草)

数々に思ひおもはず問ひがたみ身をしる雨はふりぞまされる(古今和歌集)

君しのぶこころのうちもかきくらし身をしる雨のわびつつぞふる(宝治百首)

とへかしな桐の葉おつる山里の夕べの雨のあきのあはれを(竹葉和歌抄)

人は来ずはらはぬ庭の桐の葉におとなふ雨の音(おと)のさびしさ(夫木抄)

(2009年10月27日の「秋の雨」の記事は削除しました。)

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野分(のわき)

2011年08月17日 | 日本古典文学-和歌-秋

野わきする空のけしきになりにけり村雲はやき秋の夕暮(宝治百首)

夕まぐれ風も野わきと吹きたてばよものちぐさぞしづ ごころなき(玉葉和歌集)

思ひやるわが心までしをれきぬ野わきする庭の花のいろいろ(夫木抄)

夜すがらの野分の風のあと見ればすゑふす萩に花ぞまれなる(玉葉和歌集)

野わきするのべのけしきをみる時は心なき人あらじとぞ思ふ(千載和歌集)

けさ見れば野分の後の雨はれて玉ぞのこれるささがにの糸(拾遺愚草)

草の原のわきにあへる白露のあはれいくたびおきてちるらむ(沙玉集)

あさぢはら野わきにあへる露よりもなほありがたき身をやいかにせむ(新勅撰和歌集)

身のうさは野分にあへる花なれやちりひぢになるここちのみして(和歌一字抄)

花も露もいかにこころをくだけとて秋に野分の吹きはじめけむ(長秋詠藻)

(2009年10月26日の「野分」の記事は削除しました。)

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くず・まくず(葛・真葛)

2011年08月16日 | 日本古典文学-和歌-秋

あさぢ原たままく葛のうら風のうらがなしかる秋は来にけり(恵慶法師集)

山里はくずのうら葉をふきかへす風のけしきに秋を知るかな(新古今和歌集)

まくず原うら葉もしろく乱れつつ風のままなる秋の夕露(内裏百番歌合)

秋風の日ごとに吹けば水茎(みづ ぐき)の岡のくず原いろづ きにけり(夫木抄)

人知れずおもふ心のゆくかたは真葛が原の風にまかせつ(拾玉集)

逢ふことはかた野のみのの真葛原うらみもあへず露ぞこぼるる(続千載和歌集)

うらみても恋ひても露ぞこぼれけるしのぶの山の葛のした風(続後拾遺和歌集)

いかにせむ玉まく葛のうら風に思ひくだけて露ぞこぼるる(宝治百首)

つれなきをうらむる葛のした葉こそ涙の露のおきどころなれ(風葉和歌集)

色かはる心のあきの葛かづら恨みをかけて露ぞこぼるる(新後拾遺和歌集)

唐衣(からごろも)すそ野のまくず吹きかへしうらみて過ぐる秋の夕かぜ(拾遺愚草)

秋風に吹きかへさるる葛の葉のうらみてもなほうらめしきかな(古今和歌六帖)

秋はなほ葛のうら風うらみてもとはずかれにし人ぞ恋しき(新千載和歌集)

はかなしなうらみじと思ふ夕暮れにけふも真葛の露ぞこぼるる(洞院摂政家百首)

葛の葉にあらぬわが身もあき風のふくにつけつつうらみつるかな(新古今和歌集)

身のうきに思ひかへせば真葛原ただうらみよと秋風ぞ吹く(新後拾遺和歌集)

葛の葉のいく秋風をうらみてもかへらぬものは昔なりけり(民部卿典侍集)

(2009年11月4日の「葛の葉」の記事は削除しました。)

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月草・露草

2011年08月14日 | 日本古典文学-和歌-秋

いかばかりあだに散るらん秋風のはげしき野べの露草の花(散木奇歌集)

月草に衣はすらむ朝露にぬれてののちはうつろひぬとも(万葉集)

あした咲き夕べはけぬる月草のけぬべき恋もわれはするかも(万葉集)

夜もすがらかさねし袖はしら露のよそにぞうつる月草の色(壬二集)

おもかげはなほありあけの月くさにぬれてうつろふ袖のあさ露(新勅撰和歌集)

月草の花もあだにや思ふらむぬれぬにうつる人のこころを(秋風和歌集)

月草の花よりあだにうつろふは人の心の色にぞありける(隣女和歌集)

世の中の人のこころは月草のうつろひやすき色にぞありける(古今和歌六帖)

色かはる人のこころは月草のうつろひやすき花とこそ見れ(実材母集)

(2009年11月4日の「月草・露草」の記事は削除しました。)

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