monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

炭竈(すみがま)

2011年12月25日 | 日本古典文学-和歌-冬

さびしさは冬こそまされ大原や焼く炭がまのけぶりのみして(堀河百首)

山ふかみたく炭がまのあさけぶり心ぼそくも見えわたるかな(夫木抄)

大原や小野のすみがま雪ふればたえぬけぶりぞしるべなりける(堀河百首)

かきくらす嶺のふぶきに炭がまの煙のすゑぞむすぼほれゆく(新続古今和歌集)

炭がまにかよふゆききのあとばかり雪にぞみゆる大原の山(新拾遺和歌集)

思ふことおほ原山の炭がまはいとどなげきのかずをこそ積め(新古今和歌集)

なげきつつ世にすみがまの我がこころしたに燃ゆともたれか知るべき

炭やきのこりつむ木々の煙よりたえぬや胸のおもひなるらむ(四吟百首)

(2009年12月30日の「炭竈(すみがま)」の記事は削除しました。)


鷹狩(たかがり)

2011年12月23日 | 日本古典文学-和歌-冬

はしたかの木居のした草枯れしよりかくれかねてや雉子(きぎす)鳴くらむ(新後拾遺和歌集)

萩原も霜枯れにけり御狩野(みかりの)はあさる雉子のかくれなきまで(続拾遺和歌集)

御狩(みかり)するかた山かげのおち草にかくれもあへず立つ雉子かな(風雅和歌集)

降る雪に鳥立(とだち)たづ ねて今日いくか交野(かたの)の御野(みの)を狩りくらすらむ(新拾遺和歌集)

やかた尾のましろの鷹を引きすゑてうだの鳥(と)だちを狩りくらしつる(千載和歌集)

はしたかの身よりのつばさ白たへに我が袖かけて雪は降りつつ(延文百首)

はしたかのしるしの鈴の近づ けばかくれかねてや雉子(きぎす)鳴くらむ(堀河百首)

鈴の音(ね)はよそにもしるしはし鷹の白斑(しらふ)に雪は降りまがへども(新千載和歌集)

み狩りする山路に鈴のこゑはして白斑の鷹は雪にまがひぬ(夫木抄)

み狩りする交野の御野(みの)に雪ふれば黒斑(くろふ)の鷹も白斑とぞ見る(東塔東谷歌合)


野行幸

2011年12月22日 | 日本古典文学-和歌-冬

冬ふかき野べのみゆきの今日しもあれ白斑(しらふ)の鷹をすゑてけるかな(永久百首)

大原や野べのみゆきにところ得て空とるけふの真白斑(ましらふ)の鷹(六百番歌合)

嵯峨の原はしる雉子(きぎす)のかた跡も今日のみゆきに隠れなきかな(夫木抄)


仏名(ぶつみやう)

2011年12月21日 | 日本古典文学-和歌-冬

年のうちにつもれる罪も消えぬらむ三世(みよ)の仏の御名(みな)をとなへて(永久百首)

雪のうちに仏の御名をとなふれば聞く人もみな罪ぞ消えぬる(正治二年初度百首)

三世の師(し)の御名となへつるしるしには罪もや今宵のこらざるらむ(夫木抄)

冬の夜もやや明けがたになりにけりほとけのお名をとなへのこして(長壽院内府九十賀和歌)

おきあかす霜とともにや今朝はみな冬の夜ふかき罪も消(け)ぬらむ(拾遺和歌集)