しなしなの記録

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私は以前、橋梁の設計・施工の仕事をしていました 厚別橋 その1

2010-07-10 14:15:52 | Weblog
 私は以前、橋梁の設計・施工の仕事をしていました。札幌市内に8年間で、6橋の作品を残しました。橋梁の新設、架け替え、補修、大規模橋梁、小規模な橋梁と様々な分野を行いました。いつも思っていたのは、どうせなら美しい橋梁にしたいということです。
 トップの写真は厚別橋(あしりべつばし)です。橋長64mの架け替えた橋梁です。工事に2年かかりました。橋が完成してから、毎年、写真のように、こいのぼりが揚げられるようになりました。橋ができたからではないでしょうが、こうした文化ができたことは嬉しいかぎりです。
 この橋は初めての鋼橋であり、私の最後の作品です。したがって、私なりの多くの美しくみせる工夫をしてみました。もちろん、なるべく金がかからないようにしてです。



 主桁の色はマリンブルーとよばれるような濃い青色です。私のイメージでこの色にしました。パステル調の色より塗料は高いのですが、締まった感じを与え、護岸のコンクリートとの対比がはっきりします。しかし、周りの樹木の緑には埋もれます。山岳橋梁では赤、鉄道橋では濃い緑色が使われたりしますが、濃い青色は珍しいと思います。青色の塗料で、一番濃い色を選んでいます。理由は色は面積が大きくなるほど、白っぽく見えるという経験からです。グレーの色見本から、自分が考えるコンクリートの色を選び、実際のコンクリートとで比較すると、自分の選んだものは、かなり白いグレーでした。実際のコンクリートはかなり黒っぽいものです。これは私だけの感覚ではありません。そこで、なるべく濃い青色にしました。
 橋の上で、高欄がつく部分のコンクリートは地覆と呼ばれます。私はこの部分には、2本の線を入れるようにしていました。位置は地覆の原寸大の絵で検討します。だいたい黄金比的な位置に入れます。3cmの△の面木を型枠につけて、線にします。これで、地覆が小さく、締まった感じに見えるようになります。
 橋台のウイングに化粧型枠でアクセントをつけようとしましたが、これはあまり効果がなかったようです。
 照明灯の配線等は見えるとかっこ悪いので、なるべく外付けにならないよう、配慮しました。伸縮継手部分と橋台から地中へのアースは出てしまいますが。

 細かな細工かもしれません。どれだけ効果が有るかも、完成後でなければ良くわかりませんが、とにかく色々な美しく見せる工夫を重ねました。その2では、厚別橋の橋面からをご紹介したいと思います。
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