5月30日(月)、石川県小松市の郵便局訪問をしていた私は、歴史のある木造民家に「こまつ町屋」の木札が下がっているのに気が付きました。よく分かりませんでしたが、きっと何か基準があるのだろうと写真だけは撮影しました。
調べてみて、分かりました。石川県小松市は1930年(昭和5年)3月28日、1932年(昭和7年)10月22日と2回もの大火となりました。その教訓からこうした町屋が建てられるようになったそうです。
次のような特徴が有ります。
① 切妻平入り トップの写真の一番手前の家の造りです。横が切った形になり、1Fが入り込んでいます。
② 大屋根と小屋根 トップの写真の1Fと2Fに屋根が有ります。
③ 小松瓦 積雪、融解に強い瓦だそうです。
④ 真壁作り 柱が外面に現れる壁作りです。トップの写真の家の2Fの壁がそうです。
⑤ 虫籠(むしこ) 縦格子のことです。光風を通し、視線を遮るためです。
⑥ 犬走り 軒下の通路です。下の写真が分かりやすいでしょうか。
⑦ 下がり 1Fの屋根から下げられた部分です。下の写真が分かりやすいでしょうか。
⑧ 土板、熨斗瓦 雨水の進入を防ぐそうです。下の商店の1F屋根と2Fの壁に貼り付けられているのが、熨斗瓦でしょうか。
⑨ 袖壁 隣家への延焼を防ぐためだそうです。徳島で見た「うだつの町並み」のうだつに近いです。
⑩ せかい 軒の桁を腕木で支えますが、柱以外でも支える構造だそうです。これは私は理解できていません。
こうした「こまつ町屋」が小松市のHPによると、117軒が登録されています。こうした建物は維持管理がたいへんだと思います。でも、長く残していただければと思います。