自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

スター・トレック3 スペシャル エディション

2008-01-31 | 吹き替え
「スター・トレック3 ミスタースポックを探せ!」
スペシャル・コレクターズ・エディション
(Star Trek III The Search for Spock 1984年・米)
役名:サレク大使 (マーク・レナード)

これは、スペシャル・コレクターズ・エディションと言う、特別版のDVDです。
前回のDVDの音源とは異なり、DVDの為に新録された物です。
基本的には、前回追録を担当された方が、レギュラーの声を担当しています。
悟朗さんは、サレク大使を再演していらっしゃいます。
同じく、矢島さん(カーク)、小林修さん(チャーリー)、内海さん(クルーグ<クリンゴン司令>)が据え置きになっています。

訳はほぼ同じですが、微妙に違っています。
前回と同じく、サレクが登場する場面をご紹介します。

<最初から23分頃のシーン>

サレクがカークのアパートを訪れるシーンです。
悟朗さんも矢島さんも、渋さがさらに増して迫力満点です。

(カーク:矢島正明 サレク:納谷悟朗 スポック:菅生隆之)

カーク:サレク大使。大使が私のアパートにみえるとは。部下はご存知でしょう。
サレク:君と二人だけで話したい。
カーク:(加藤達に向かって)はずしてくれ。
大使。弔意を述べにバルカン星へ行こうと思っていた所です。
サレク:陳腐な外交辞令はやめろ。政府要人にも会い、ジェネシスの資料と君の報告書を見てきた。
カーク:あなたの息子さんは勇敢に死にました。
サレク:何故ジェネシスに置いてきた。スポックは君を信頼していたのに、君は息子の未来を捨て去った。
カーク:未来はもうなかった。
サレク:死んだのは肉体だけにすぎん。最期に一緒に居たのは君だったんだろう。
カーク:ええ、そうです。
サレク:だったら何故バルカンに連れて帰ってこなかった。
カーク:どうして?
サレク:息子は君に頼んだはずだ。君に全てを託した。肉体以外の全てで、全霊を持って君に頼んだんだ。バルカン星に、連れて行ってくれと。
その為に息子は君にカトラを与えた。生きている魂を。
カーク:大使。彼はかけがえのない存在でした。助けられるなら、私は命も捨てた。
しかし彼はあの時、何も頼みませんでした。
サレク:あからさまに頼んだりはせん。
カーク:じゃあどうすれば・・・
サレク:カーク。君の心を知りたい。心を読ませてくれ。
カーク:どうぞ。

~マインド・メルド中~
このシーン、画面を暗くし、暖炉の火が燃えていて、演出効果も満点です。(笑)

サレク:彼は君の友情を語り、
カーク:ええ。
サレク:悲しむなと訴えた。
カーク:そうです。
サレク:多数の幸せが、重要だ。
カーク:少数の幸せより。
スポック(サレクの声がスポックの声に変わります):原則です。(注1)
カーク:スポック
スポック:たとえ死んでも、私は永遠にあなたの友人です。
あなたに長寿と繁栄を。(注2)
カーク:スポック
サレク:済まなかった。ここにはない。最期を迎えて、君を心を一(いつ)にしたと思ったんだが、見込み違いだった様だ。
カーク:隔てられていて、触れられなかったんです。
サレク:そうか。じゃあ息子の全ては、知識も心も行ってしまった。
(サレク去ろうとする)
カーク:待って下さい。それ程大事な事なら、彼は何か考えたはずだ。他の方法を探したはずです。
サレク:そうだな。何だろう。
カーク:他(ほか)の者に伝えたのか。

~フライトレコーダーをチェック~

カーク:マッコイだ。
サレク:一人は死に、一人は生きているが、共に苦しんでいる。
カーク:どうすればいい。
サレク:二人をバルカンのセレヤ山に連れて来るのだ。そこで二人は平和を取り戻せる。
カーク:しかしそれは・・・難しい。
サレク:何か方法はあるはずだ。二人を救いたいのなら、実現しろ。
カーク:やりましょう。誓います。

***

<1時間27分頃のシーン>

スポックをセレヤ山に連れてきたカーク達です。

(トゥラル:? サレク:納谷悟朗 カーク:矢島正明)

トゥラル:サレク。スコーンの子。ソルカーの子。汝の息子の肉体は生きておる。
望みを申せ。
サレク:ファルトア・パンを施して頂きたい。心霊移植を。
トゥラル:それはすでに何百年も行われておらん。今や伝説となっている。
汝の要求は非論理的だ。
サレク:お許し下さい。息子に関する望みは、常に非論理的です。

マッコイの承諾を得て、トゥラルはファルトア・パンを施した。

カーク:スポックは?
サレク:時間が答えを出すだろう。
カーク、感謝する。君がした・・・
カーク:当然の事をした。それだけです。
サレク:しかしその為に、君は船と、愛する息子を・・・
カーク:でも私の魂は、これで救われました。

***

TV版とこの新録版吹き替えのサレク、どちらが良いか甲乙付け難い所です。
どちらも、とても重厚で、サレク大使の威厳が出ていました。
この新録版は、さらに深みが増していたと思います。

なおコレクターズ・エディションでは、「スタートレック4」「スタートレック6」のサレクも悟朗さんが担当されているそうです。
(「スタートレック5」には、サレク大使は登場しません。)
未見ですが、いずれ機会があれば拝見したいと思っています。
(吹き替え版は未見です。映画自体は拝見した事があります。)


***

<キャスト>
カーク船長(ウィリアム・シャトナー):矢島正明
ミスター・スポック(レナード・ニモイ):菅生隆之
ドクター・マッコイ(ディフォレスト・ケリー):小島敏彦
チャーリー(ジェームズ・ドゥーハン):小林修
加藤(ジョージ・タケイ):坂東尚樹
チェコフ(ウォルター・ケーニッグ):樫井笙人
ウフーラ(二ッシェル・ニコルズ):朴路美
サレク大使(マーク・レナード):納谷悟朗
クルーグ<クリンゴン司令官>(クリストファー・ロイド):内海賢二
デビッド・マーカス博士(メリット・バトリック):田島康成
サービック:安藤麻吹

***

(注1)原則です。
スポックがこういう表現を良く使っていたと思いますが、ここの部分は、「One」とオリジナルでも言っていますし、前回のまま「一人の」とした方が良かったと思いました。
(注2)Live Long and Prosper
今回の訳では、お馴染みの「長寿と繁栄を」を使っていました。

***

<蛇足>
サレク役のマーク・レナードさんがお亡くなりになるしばらく前に、インタビューを拝見した事がありました。
その時に、お宅のネコちゃんのお話をされていました。
ネコの名前はシンデレラ。シンディと呼んでいる、と楽しそうに仰っていました。
私はネコが好きなので、その時の事がとても印象に残っています。
お優しそうな方でした。(1996年没)




コメント
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