自称納谷悟朗後援会日誌

ファン歴50年の自称後援会長が、納谷悟朗さんの作品をご紹介しています。

荒野より ハードタイムスへようこそ 第1話

2008-03-28 | オーディオ・ドラマ
「荒野より ハードタイムスへようこそ」
パート7:ジェリー・コフィー教授のサマー・ウイルダネス・ワークショップ
(FM東京 1981年7月~8月?)
役名:ジェリー・コフィー教授の声

第1話 「ジェリー・コフィーと山との出会い」

コフィー教授は、ニューヨーク州の出身。
ニューヨークと言うと、皆が大都会を思い浮かべるが、ニューヨーク州はとても広大で、教授の出身地は農業中心の北部の田舎町だと言う。

ニューヨーク州は日本の三分の一の広さがあるが、その中で、マンハッタンは東京23区の十分の一しかない。
そして、ニューヨーク州の五分の一は、アディロンダク自然公園(Adirondack National Park)でしめられており、実際はとても自然が豊かな州なのだ。

コフィー教授は、子供の頃から森の中を歩いていたと言う。
教授のお父さんも森の中での散策が好きだった。

14、5歳の時、アディロンダクの山の中を、ハイキングしていた時の事を思い出す。
高さによって、木の種類が変わって行く。
頂上まで登った。
頂上に立った時、あたりに開ける世界の素晴らしさに圧倒された。
世界の中で、自分がどんな存在なのか、と言う事にも。
その時初めて、自分は時々山に登る必要があると感じた。
山の頂上に立つ必要がある。自分の魂の為に。

あの山登りが人生を変えた。
山の頂上に立った時の魔法の様な経験、それと同じ経験をしたいと思って人生を過ごして来た。

山に登る理由として間違っているのは、何かを証明したり、征服したりしようとする事だ。
そんな事は出来ない。
自然は、山の頂上に立つ事を許してくれる。
勇敢さを証明する場所ではないのだ。
スタミナや生き延びる為の知識や情報も必要だが、精神が一番大事だ。
山では間違いは許されない。

自分は静かに考える為に、山に登る。
地球に対する畏敬の念を新たにする為に登る。
山登りは、力でなし遂げる物ではない。
ほんの少しそこにとどまって、通過して行くだけだ。
そこにいる事を許されて、幸いだと思わなくてはいけない。

息子のデニスと初めて山に登った時(デニスは当時4歳ぐらいだったとの事?)、彼のリュックには熊のぬいぐるみが入っていた。
頂上には森林警備隊の火のみやぐらがあった。
息子に何が見えるか聞いてみた。その答えに興味があった。
火のみやぐらが見える・・・これは、期待していた答えではなかった。
息子はこう続けた。
火のみやぐらだけじゃない、世界じゅうが見える・・・ってね。

***

落ち着いた語り口で、悟朗さんも教授もとても良かったです。
内容も興味深く、面白い物でした。


コメント
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