ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

『OH! ラーメン』 その後

2023-01-21 11:03:12 | 北の大地
 2016年8月のブログでは3週にわたって、
大好きなラーメンについて綴った。
 タイトルは、『OH! ラーメン』『続・OH! ラーメン』
『伊達版・OH! ラーメン』である。

 小学生の頃に初めてラーメンを知った時から、
味噌ラーメンが最高に美味しかった地元『竹よし』の閉店までを、
一気に書いた。

 その後も、時々のブログで、
元祖室蘭ラーメン『清洋軒』や『宇宙軒・伊達店』、
洞爺湖の『一本亭』などの美味しさを紹介してきた。

 そして今は、塩ラーメンなら○○店、醤油ラーメンなら△△軒、
味噌ラーメンなら□□亭と、私なりのお気に入りのお店あり、
その味に満足している。

 しかし、好きな物への関心はつきない。
美味いと噂を聞くと、つい暖簾をくぐりたくなる。
 多くの場合、今のお気に入り店にはかなわない。

 ところが、最近見つけた2店は、
これから先も、度々足を運びたくなりそうだ。

 ① 銀座4丁目の交差点にある『和光』から
1本入った通りに、室蘭から進出したラーメン店があった。
 30歳代のことだったと思う。

 何度か、その暖簾をくぐった。
高校生の頃によく食べた懐かしいラーメンの味で、美味しかった。
 そんな故郷の味が、都心の賑わいの中にあった。
無性に嬉しかった。

 同じ学校の先生方に、自慢気に胸を張り、
『なかよし』の店名を上げ,紹介した。
 
 その店が何年そこにあったのだろうか。
しばらくしてから行ってみると、もう違う店に変わっていた。
 だから、店名も味も記憶から次第に遠のいた。

 ところが、伊達に住んでからゴルフの練習で、
しばしば室蘭まで行くようになった。
 練習場までの道路で、『なかよし』の看板を見た。

 あのラーメンの味を、懐かしく思い出した。
早速、店を探して行ってみた。
 カウンターだけの小さな古い店だったが、
お客さんが数人いて、活気があった。

 注文した醤油ラーメンは、
確かに濃い色で、銀座店のそれを思い出させた。
 決して不味いわけじゃない。
でも、あの味ではなかった。
 
 かなり期間を空けて、もう一度味を確かめに行った。
矢張り同じだった。

 さらにもう一軒、室蘭市内に同じ名のラーメン店を見つけた。
きっと同じだろうと思いつつも、カウンターに座り、
醤油ラーメンを注文した。

 スープの濃い色も、縮れた麺も変わりなかった。
やはり記憶にある美味しさではなかった。
 「もう30年以上も前の味だ。
同じ訳がない」とあきらめた。

 ところが先日、美味しいラーメンの店が、
兄との話題になった。
 初めてのことだった。

 「よく行くのは、『なかよし』だ。
あそこの醤油ラーメンが好きなんだ」。
 仕事柄、味にうるさい兄が、
『なかよし』をあげたことに驚いた。

 私は、すかさず食べたことのある2つの店をあげ、
期待外れだったことを伝えた。
 「ああ、その2軒じゃない」。
兄は別の『なかよし』を教えてくれた。
 興味が湧いた。

 数日後、教えて貰った道順で車を進め、
その店へ行った。
 2つの『なかよし』と同じで、古い店構えだった。
ご夫婦で切り盛りしているようだった。

 醤油ラーメンを注文した。
濃い色のスープは同じだが、縮れの少ない麺だった。
 若干の違いに期待し、食べ始めた。
美味しさも違った。
 私の記憶にある『なかよし』だった。
 
 まだ子供たちが小さかった頃に帰省した時、
母や兄と一緒に食べた時の味を思い出した。
 レンタカーを横付けして店に入ると、客はいなく、
「時間かかるけどいいかい」と店主が言ったとおり、
随分と待たされた時の味を思い出した。

 そうそう、あの『なかよし』は、確か「醤油ラーメン」ではなく、
「正油ラーメン」とメニューにあった気がする。
 それを確かめるのをいい口実にして、
近々また行こうと思う。

 ② 伊達観光物産館の案内カウンターに、
『伊達 ラーメン地図・マップ』のチラシが置いてある。
 市内6つのラーメン専門店の看板メニューと、
「こだわりの秘訣」が紹介されている。

 その中の1軒に、『元祖鶴つる亭』がある。
チラシでは、「ネギしおラーメン」が看板メニューとなっている。
 そして、次のように「こだわりの秘訣」が記載されている。

 『鶴つる亭は、こだわりの豚骨ベースのスープに定評がある。
出汁が十分に行き渡ったその味は、
一杯れんげで飲めば風味がたちまち口の中で広がり、
不思議と二杯 三杯…とやみつきになるほど。
 ひき肉も入っており、これがまたスープとの相性が。
チャーシューも厚くボリュームがあり、
サイドメニューのチャーシューおにぎりは、
ラーメンと肩をならべるほどの人気』

 移住してすぐに、鶴つる亭の「ねぎしおラーメン」を食べた。
ここもご夫婦で切り盛りしている店だった。
 味は、「こだわりの秘訣」に偽りはなかった。
でも、正直に言うと「リピーターになるほどでは・・・」が感想だった。
 
 その『鶴つる亭』の前を、時々車で通った。
店の横が駐車場になっている。
 お昼時には、いつも何台も車が止まっていた。
人気の店なのだ。
 私の感想とは違っていた。

 先日、久しぶりの酒席があった。
飲食店の話題から『鶴つる亭』の名前が出た。
 食べたことのある人からは、美味しいと評判がよかった。
「もう一度、行ってみよう!」。
 心変わりがした。 

 「ネギしおラーメン」ではなく、
みんなから評判のよかった「ネギ味噌ラーメン」を注文した。
 都会のラーメン店ではないのに、メニューは千円となっていた。
それでも、私以外の方も同じ注文をしていた。

 味噌味のスープの中に、縮れ麺と味のついたひき肉だけがあった。
その上に、多めの白髪ネギが山盛り。
 そのネギを少しずつ味噌スープに浸し、麺と一緒に食べた。
久々に美味しい味噌ラーメンに出会えた瞬間だった。

 「千円は決して高くない!」。
そう思いながら、人気の店を後にした。




   氷点下 寒い寒い西浜の海岸

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 晴れたり曇ったり その8 ... | トップ | 明け方の 夢見 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

北の大地」カテゴリの最新記事