詩人が遺した言霊・谷川俊太郎 ~「生け花展」の花を添えて
生きる 谷川俊太郎
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと (一部抜粋)
二十億光年の孤独 谷川俊太郎
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う (一部 抜粋)
ありがとう 谷川俊太郎
花ありがとう
今日も咲いていてくれて
明日は散ってしまうかもしれない
でも匂いも色ももう私の一部
お母さんありがとう
私を生んでくれて
口に出すのは照れくさいから
一度っきりしか言わないけれど (一部 抜粋)
ふくらはぎ 谷川俊太郎
俺はおとつい死んだから
もう今日に何の意味もない
おかげで意味じゃないものがよく分る
もっとしつこく触っておけばよかったなあ
あのひとのふくらはぎに (一部 抜粋)
闇は光の母 谷川俊太郎
闇がなければ光はなかった
闇は光の母
光がなければ眼はなかった
眼は光の子ども
眼に見えるものが隠している
眼に見えぬもの (一部 抜粋)
死んだ男の残したものは 谷川俊太郎
死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他には何も残さなかった
墓石ひとつ残さなかった
死んだ兵士の残したものは
こわれた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった
平和ひとつ残せなかった
(一部 抜粋)
どっかに行こうと私が言う
どこ行こうかとあなたが言う
ここもいいなと私が言う
ここでもいいねとあなたが言う
言ってるうちに日が暮れて
ここがどこかになっていく
さようなら 谷川俊太郎
ぼくもういかなきゃなんない
すぐいかなきゃなんない
どこへいくのかわからないけど
さくらなみきのしたをとおって (一部 抜粋)
夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった
これまで、ありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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