全興寺の「節分星祭」 ~お多福面のおもひで
平野郷の全興寺で恒例の「節分星祭」が執り行われた。
「節分星祭」の特徴は「 開運厄除け護摩祈祷」と「 四国八十八か所お砂ふみ」、そして、「守り札」「福豆」とともに「お多福面」が授与されること。
厄除け修行のため、本堂内の「四国八十八ヶ所お砂ふみ」(座布団踏み)をすると、四国八十八ヶ所巡礼と同じ功徳があるとされている。
こちらに来て、地獄も修羅場も見ましたよ。12年前。
そりゃそうだ。
本題の「お多福面」のおもひで・・・だが、
(毎年、N尾さんからいただくのが恒例となっている。)
2年前の節分時も、いつも通り全興寺で「お多福面」を授かると家に持ち帰り、当時、寝た切り状態の母に手渡した。
母は1年以上、要介護4状態だったが、できる限り、自宅介護をしようと心に決めてはいた。
とはいうものの仕事持ちの私が(介護職・看護職の方のお世話になってはいるものの)一人で介護するには今から思うと限界に達していたのだろう。
深夜、頻繁にある下の世話や時折、襲う錯乱の対応に追われて私は家で怒りっぽくなっていた。
母は「お多福面」を受け取ると、顔をくしゃくしゃにして泣いて言った。
「いつも、お多福みたいに、にこにこしてなあかんで。」
母はその半年後、あっけなく、逝ってしまった。
介護に追われて、怒ってばかりいた自分を今でも許せないでいる。
昨年はお詣りには来たが、肝心の「お多福面」返納を忘れたので、今年、お納めした。
これが、そのときの「お多福面」である。