ワンダースター★航星記

写真を撮るとは、決して止まらない時間を止めること。旅や日常生活のインプレッシブな出来事を綴ったフォトエッセイ集です。

赤レンガ・フェステイバル ② ~宮殿のような刑務所

2019-12-01 | 博物館・美術館

赤レンガ・フェステイバル ② ~宮殿のような刑務所

 

 奈良監獄が建てられたのは1908(明治41)年。

 設計したのはジャズピアニスト山下洋輔さんの祖父で、監獄建築家と云われる山下啓次郎である。
 彼は「明治の五大監獄」(千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島)の全てを設計したが、このうち奈良少年刑務所は現存する刑務所として最後まで運用され、国の重要文化財にも指定された。

 建物内部は①で紹介したように、刑務所らしく、機能的かつ冷徹な作りになっているが、外観は赤れんがの西洋風建築で、装飾や中庭など宮殿を思わせる優雅さである。

 このような近代的な監獄を作ったのは、明治時代、列強に押し付けられた不平等条約の改正のため、日本が近代的な法治国家として諸外国と対等に渡り合える国になったことを、内外に示す必要があったためだという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 監獄史料館では、明治時代の監獄の様子が展示されていた。

 

  

 

 

 

  また、刑務所の敷地内には、江戸時代の奉行所で使われていたという通称「ギス監獄」などが展示されていた。

 「まるでキリギリスを入れる虫かごのような監獄」ということで「ギス監獄」という呼び名になったとか。

 近代的な刑務所との違いを比較できるように、奈良奉行所跡地から移設されたそうだ。

 

 こちらは、隔離病舎。隔世の感がある。

 

 

 

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