大阪中之島美術館 ~《SHIP'S CAT (Muse)》のグリーティング
中之島に黒いキューブ状の巨大な建物ができた。
予定地から蔵屋敷跡などの遺構が出土したり、大阪市の財政難など様々な事情に翻弄されて、今冬の開館まで準備期間、約40年かかったという中之島美術館である。
黒いキューブの正面広場に宇宙服のようなヘルメットとスーツを装着した巨大な猫が時には招き猫のように、時には狛犬ならぬ狛猫のように鎮座している。
ヤノベケンジ作「SHIP’S CAT」と銘板に刻まれている。
「SHIP’S CAT」とは大航海時代に長い航海に乗船した「船乗り猫」のことであるが、ネズミなどの害獣を駆除し、帆船や貨物が食べられたり、疫病が流行することから守るために乗せられていた。
時に船員の心を癒す友になったり、マスコットになったり、時に天候を読んだり、危機を察知する能力があるとされ、守り神のようにも扱われてきた。
当地をかつて行き来した、米や特産物が集積する船や蔵屋敷は当然、ネズミなどの害獣がいたはずで、それらを追い払う船乗り猫もいたに違いない。
そういえば、冬の東山花灯路で清水寺の山門前に鎮座していたメタリック狛犬にも同じ匂いがする。
同じ作者なのだろう。
異彩を放つのは外観だけでなく、内面もしかり。
吹き抜けはパサージュを思わせるし、シルバーの壁面は宇宙船を思わせる。
エスカレーターはまさにエスカレーション。
美術館自体が現代アートといえる。
そして、ヤノベケンジ作「ジャイアント・トらやん」である。
身長7.2mの圧倒的な存在感で美術館の本尊のように鎮座する。
でも、どこかでお会いしたような・・・
本館の構想は1983年、実業家・山本發次郎(はつじろう)の遺族より佐伯祐三作品を含む約580点の作品が大阪市に寄贈されたことがひとつの大きな出発点だった。
大正・昭和初期の洋画家、佐伯祐三の代表作が「郵便配達夫」である。
また、市制100年を記念して、大阪市がバブル期に乗じて、19億3000万円で購入したモディリアーニの作品「髪をほどいた横たわる裸婦」もコレクションされている。
(出典https://www.tokyoartbeat.com/)
人気ブログランキングへ
にほんブログ村
FC2 Blog Ranking
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます