「船弁慶」 ~千本ゑんま堂・大念佛狂言 ②
千本ゑんま堂の大念仏狂言は壬生狂言、嵯峨大念仏狂言と並んで京の三大狂言のひとつで1000年以上続いていると云われている。
他の狂言と違い、 ほとんどの演目にセリフがあることが大きな特徴である。
GWの本公演には、多くの方が観覧したが屋外なので、日中の暑さと日差しが大変だった。
公演前の稽古風景。保存会には若い方も多くいらっしゃるようだ。
人気演目の「神崎渡し」あらすじ。
坂東方のお坊さんが、堺・住吉・天王寺へと参詣の旅にでかけます。
このお坊さん、修行中であるために貧しく、途中で立ち寄った茶店のお茶代も払えません。
あきれた茶店の主人は事情を聞いてかわいそうに思い、この旅先にある神崎川の渡しの船賃を タダにする方法を小坊主さんに教えてやります。
それは、しゃれ好きの船頭のために、古の名将・平薩摩守忠度 (たいらのさつまのかみだたのり) に引っ掛けて歌った句「平家の公達 薩摩守 心と問わば ただのり」(へいけのきんだち さつまのかみ こころととわば ただのり=タダ乗り)としゃれを言って船賃を払わない方法でした。
喜んでお茶屋と別れた小坊主さんは、途中でこのしゃれを間違って覚えてしまいます。(保存会 公式HPより)
「船弁慶」あらすじ (保存会 公式HPより)
頼朝に疑惑を持たれた 源義経は、弁慶達と共に西国へ逃れようと摂津の国 大物の浦(だいもつのうら)に着きます。
同行していた静(しずか)は、女の身ではこれ以上進むことは難しく、弁慶の助言もあって、都に戻ることになります。
別れの席で静は舞を舞い、義経のこの先を祈り、再会を願って涙にくれながら別れます。
静との別れを惜しみながら、船出した義経達でしたが、船が海上に出ると、突然暴風に見舞われ、波の上に、壇ノ浦で滅亡した平家一門の総大将だった平知盛(とももり)の怨霊が姿を現します。
知盛は、義経を海底に沈めようと、薙刀を振りかざして襲いかかります。
弁慶は、力では太刀打ちできないと、数珠を揉んで祈祷します。その祈りの力によって、怨霊は彼方の沖に消えてゆきます。
面には表情がないはずなのに、感情が映し出されているようにみえるのは不思議だ。
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