菊回廊のころ ~初瀬詣で・長谷寺
長谷寺は、奈良から伊勢へと続く初瀬街道のそばの初瀬山にある。
初瀬山は「隠国の泊瀬(こもりくのはつせ)」と称され、古代から山深い里にある聖なる場所だった。
平安時代から貴族たちは仏教に救いと一族の繁栄を求めて、初瀬山の長谷寺へ盛んに詣でた。
藤原道長も訪れたそうで、長谷寺への参詣は「初瀬詣で」と呼ばれており、源氏物語や枕草子など著名な文学作品にも登場する。
牡丹や紫陽花で有名な長谷寺だが、紅葉が最盛期を迎える前のひとときを「菊回廊」が彩る。
清少納言も上った回廊は、人間の煩悩108に因んで全長108間(約196m)399段あり、天井から大きな釣灯篭が下がっている。
石段の左右には牡丹園があり、回廊を登り切った所の本堂は堂々とした舞台造、そして、内陣の本尊は巨大な「木造十一面観音立像」である。
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