徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

セーフティーネット・クライシス

2008-12-15 22:48:18 | 時事
 今夜のNHKスペシャル「セーフティーネット・クライシスⅡ 非正規労働者を守れるか」を見た。前回に引き続き、セーフティーネットの網からこぼれ落ちる人が激増している現実を見ながら、崩壊寸前の日本の社会保障の問題点や今後の方向付けについて問いかける内容だった。これを見ながら、僕は随分昔の、ある出来事を思い出した。30年近く前になるが、社会保険制度を勉強するために泊り込みの研修に参加したことがある。その会場が、今は千葉の方に移転したと思うが、当時は都内にあった社会保険大学校だった。その時、宿舎で相部屋になったのが、ある地方自治体から派遣されてきた方だった。2泊目か3泊目にその方とちょっとした論争になった。話の発端は憶えていないが、僕が役所の仕事に取り組む姿勢について苦言を呈したことは憶えている。それに対してその方が激怒し、自分たちはいろんな問題に前向きに真剣に取り組んでいる。そんなことを言われるのは心外だ、というようなことを言われたと思う。僕としては、その研修の講義の中に既に、将来の人口構成の変化などによって社会保障制度が危うくなるというような話が出てきたので、役所はいろんな問題を先取りして取り組んでもらいたいというような趣旨で言ったつもりであった。あまりの怒りように僕もそれ以上突っ込むことはせず、お互いに気まずい状態のまま残りの研修を過ごした。あれから30年ほど経ってみると、案の定、社会保障制度は危機に瀕している。今夜出演していた大村厚生労働副大臣は、消費税を上げた20年前には予測できなかったような事態が起きているような話をしていたが、そんなことはない。社会保障制度の崩壊、格差社会、派遣切り等々、すべてずっと前から予測できたことばかりだ。要するに政治家や行政がそれらの問題を先送りしてきただけの話だ。