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2、3日前、家の近くの町内掲示板の前を通りかかったら「どんどや」の開催を知らせるポスターが貼ってあった。「どんどや」とは毎年1月15日前後、いわゆる小正月の時期に、正月に飾ったしめ縄や門松などを焼いてひと区切りつけるという行事だ。何気なく日時を見て驚いた。「昭和21年」とあるのだ。しかも赤い傍線付きで。平成の御世になってもう20年、未だに間違える人がいるということに驚くとともに書いた人の年齢がしのばれた。一応言っておいたほうがいいかなと思って、事務局のある公民館に電話をかけた。「日にちが昭和21年になってますけど・・・」すると電話に出た年齢高めの女性が力強く「えゝ来年ですから!」「ですから昭和と・・・」「え゛~っ!」てなやりとりがあって、すぐに担当者に伝えておくとのことだった。しかし、このポスターは筆書きしたものをコピーして壺川小学校の校区内の掲示板に全部貼ったとするといったい何ヶ所訂正するんだろうなどと気になっていた。今日、市内中心部の本屋まで歩いて行ったので、ついでに掲示板をチェックしながら行った。するとたしかに壺川小学校のごく近所の数ヶ所の掲示板は「平成」と書いた紙を貼り付けて訂正してあった。しかし、それ以外のところは「昭和」のままだった。あまりの多さにあきらめたのかもしれない。歩きながら、ふとこんなことを考えた。昭和21年といえば戦争に負け、焦土と化した日本が再起へのスタートを切った年である。実は僕の生まれた年でもあるのだが。元号が変わった同じ21年、今、日本は大変な危機に直面している。これを書いた人が、今の状況を昭和21年になぞらえて、あえて「昭和21年」と書いたのだとしたら。これは実に深いな~。そんな気がした。