徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

明日晴れるかな

2012-06-14 22:03:10 | 文芸
    姉は九つ、
    妹は五つ、
    庭の紫陽花(あじさい)
    濡れてゝ六つ。

    姉は結うてる
    妹の髪を、
    五つ妹は、
    お人形の髪を。

    縁(えん)の鏡に、
    ちらちら二人、
    姉は九つ、
    妹は五つ。


 梅雨入りが宣言されたのにちっともそれらしい雨は降らない。しかし週間天気予報によれば、どうやら今週末から本格的な梅雨に入りそうだ。
 こんな時期になると必ず想い出すのがこの輿田準一の「雨の日」という詩。輿田準一(よだじゅんいち)とは福岡県瀬高町(現みやま市)に生まれた詩人であり、戦後の児童文学をリードした一人である。また輿田準一は、度々このブログでも取り上げている海達公子に強い影響を与えた人としても知られる。この「雨の日」という詩は、彼が海達公子の家に足繁く訪れていた時期に作っているので、詞の中の幼い姉妹は海達公子・通子の姉妹がモデルになっていることはほぼ間違いない。