昨日のブログ記事「谷汲観音様のはなし。」にT様から興味深いコメントをいただいた。
コメントの中に「夢野久作の『押絵の奇蹟』を思い出しながら生身の人間よりもなまめかしいだろう生人形「谷汲観音」を想像しました。」という一節があった。
これを読んだ瞬間「ん?」と理解できなかった。夢野久作というのは大正・昭和期の作家で、名前は、祖母がよく「夢野久作のごたる話」という表現を使っていたので子供の頃から知っていた。非現実的な話というニュアンスで祖母は使っていたと思う。彼の作品を手に取ったこともあったが、その怪奇性みたいなものが肌に合わなかった。
コメントに書かれた「押絵の奇蹟」というタイトルは記憶にあったが、おそらく読んでいないと思う。そこで青空文庫で斜め読みしてみた。
演奏中、喀血して倒れた美貌のピアニストが、自身の命が長くないことを悟り、同じ歳で当代人気の歌舞伎役者・中村半次郎に当てて身の上を綴った長い手紙を書くというストーリー。自身の出生の秘密とともに鍵になっているのが歌舞伎「壇浦兜軍記」の「阿古屋の琴責」の段を描いた押絵である。
実は夢野久作は喜多流の能楽師でもあった。この「押絵の奇蹟」を読んでいくとどこまでが現実でどこから先が妄想なのかよくわからない。これは夢野久作が馴染んだ「夢幻能」とつながるものがあるのかもしれない。
コメントをいただいたT様は「谷汲観音」に幽玄やミステリアスを感じ取られ、夢野久作の「押絵の奇蹟」を連想されたのかもしれない。
歌舞伎「壇浦兜軍記~阿古屋の琴責の段~」
コメントの中に「夢野久作の『押絵の奇蹟』を思い出しながら生身の人間よりもなまめかしいだろう生人形「谷汲観音」を想像しました。」という一節があった。
これを読んだ瞬間「ん?」と理解できなかった。夢野久作というのは大正・昭和期の作家で、名前は、祖母がよく「夢野久作のごたる話」という表現を使っていたので子供の頃から知っていた。非現実的な話というニュアンスで祖母は使っていたと思う。彼の作品を手に取ったこともあったが、その怪奇性みたいなものが肌に合わなかった。
コメントに書かれた「押絵の奇蹟」というタイトルは記憶にあったが、おそらく読んでいないと思う。そこで青空文庫で斜め読みしてみた。
演奏中、喀血して倒れた美貌のピアニストが、自身の命が長くないことを悟り、同じ歳で当代人気の歌舞伎役者・中村半次郎に当てて身の上を綴った長い手紙を書くというストーリー。自身の出生の秘密とともに鍵になっているのが歌舞伎「壇浦兜軍記」の「阿古屋の琴責」の段を描いた押絵である。
実は夢野久作は喜多流の能楽師でもあった。この「押絵の奇蹟」を読んでいくとどこまでが現実でどこから先が妄想なのかよくわからない。これは夢野久作が馴染んだ「夢幻能」とつながるものがあるのかもしれない。
コメントをいただいたT様は「谷汲観音」に幽玄やミステリアスを感じ取られ、夢野久作の「押絵の奇蹟」を連想されたのかもしれない。
歌舞伎「壇浦兜軍記~阿古屋の琴責の段~」
(と、ここまで書いてその前の記事のコメントらんを拝見したらクリンも仲良しのフォロワーさまでした🎵tadaoxさまは夢野久作にお詳しいんですよ⤴✨)
五木の子守唄が、大大好きなクリンより♪
tadaox様とも仲良しでいらっしゃいましたか!
どんな視点で『押絵の奇蹟』を取り上げられるのか楽しみです!
五木の子守唄をずっと愛していただければ幸いです(^^♪
夢幻幽玄好きの小生の連想など「夢野久作のごたる話」とお祖母様に一刀両断に切り捨てられる運命なのかもしれません。
でも面白いですね。
当時から夢野久作の名前が形容詞のように使われていたなんて、やはり異端中の異端だったのかと嬉しくなりました。
十一面観音像が厨子から出でて谷汲観音の姿で登場するという設定そのものが夢幻幽玄であり、夢野久作と共通する世界だと思います。