端唄・俗曲には歌舞伎や浄瑠璃に材をとったものが多いが、この「お伊勢参り」もその一つ。
1番:浄瑠璃「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」通称「お半長右衛門」
2番:歌舞伎「天衣粉上野初花(くもにまごううえののはつはな)」通称「三千歳直次郎」
3番:歌舞伎「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」通称「白浪五人男」
2番:歌舞伎「天衣粉上野初花(くもにまごううえののはつはな)」通称「三千歳直次郎」
3番:歌舞伎「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」通称「白浪五人男」
ここでは1番から3番までの歌詞しか歌われていないが、実際にはもっと多くの歌詞が存在する。題名は1番の歌詞から採ったと思われるが、この浄瑠璃は江戸中期に実際に起きた心中事件をもとにしているそうで、この「お伊勢参り」という端唄が歌われるようになったのは江戸後期のことのようだ。歌詞の中に出てくる石部というのは東海道石部宿のことで、僕が滋賀県の彦根に在勤の頃、草津から日野へ向かう時、よく通ったことを思い出す。
♪ お伊勢参りに 石部の茶屋で 会ったとさ 可愛い長衛門さんの
岩田帯 締めたとさ エッササノ エッササノ エッササノサ
♪ 雪の明日の 入谷の寮で 会ったとさ 可愛い直はんの
膝にもたれて泣いたとさ 風に鳴子の音高く
♪ 振袖姿で ゆすりに来たが バレたとさ 腕に桜の彫り物が
見えたとさ 弁天小僧菊の助
岩田帯 締めたとさ エッササノ エッササノ エッササノサ
♪ 雪の明日の 入谷の寮で 会ったとさ 可愛い直はんの
膝にもたれて泣いたとさ 風に鳴子の音高く
♪ 振袖姿で ゆすりに来たが バレたとさ 腕に桜の彫り物が
見えたとさ 弁天小僧菊の助