徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

古典落語 「盃の殿様」

2016-08-18 22:25:27 | 音楽芸能
 今、話題の落語「山名屋浦里」。その原話は江戸時代後期、吉原随一の花魁と謳われた扇屋の花扇(はなおうぎ)の実話だという。
 その花扇が登場する古典落語が「盃の殿様」。六代目三遊亭圓生の十八番として知られるが、YouTubeにもいくつかアップロードされているようだ。「山名屋浦里」と聞き比べてみるのも面白い。

 ある西国大名の殿様が、参勤交代で江戸に来ますが、国元と違って気苦労も多く、気うつの病にかかってしまいます。臥せった枕元で茶坊主に花魁の錦絵を見せられ、その美しさに魅せられて、さっそく300人ものお供を連れて吉原見物に出掛けます。そして花魁行列で見初めた吉原一の花魁、花扇のとりこになってしまい、連日通い詰めるようになってしまいます。そうして病もすっかり治った殿様に、参勤交代で国元へ帰る日がやってきます。国元へ帰った殿様は、花扇からお別れにもらった盃を、300里も離れた九州と江戸吉原の花扇との間でやりとりをしようと思いつきます。そこで300里の道のりを10日で往復できるという速足の足軽に持たせて吉原へ走らせます。その意を酌んだ花扇が飲み干し、盃を返します。 それを持った足軽が一路国元へ走って帰る途中、箱根の山中で誤ってさる大名の行列の供先を切ってしまいます。手討ちになってもしかたのないところでしたが、事情を聴いた殿様が「それは粋な話だ。あやかりたい」とその盃で酒盛りが始まります。おかげで国元へ帰るのが遅くなった足軽が殿様にわけを話すと、意気に感じた殿様は「もう一献差し上げて来い」と申しつけましたが、足軽はどこの大名だったか聞き忘れたので、いまだにうろうろ探し回っている、というお話。


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