
熊本市在住の日本近代史家・渡辺京二さんの連載「小さきものの近代」が昨日から熊日新聞の毎週土曜付で始まった。幕末から敗戦までの激動期の日本を、名もない市井の人たちはどのように生きたかを描き、日本の近代化の意味を問うという。昨日の第1回は「明治維新は革命なのか」というテーマ。「16~17世紀に生じたヨーロッパとのファースト・コンタクトがもたらした危機を「鎖国」によって切り抜けたこの国が、否応なく強いられたセカンド・コンタクトを何とか乗り切るための緊急避難として、国家構造の変革を目指したものにほかならなかった。ひとりひとりの小さきものの幸・不幸など問題ではなかった。このことをよく知っていたのは明治人漱石である。」と結んでいる。
1998年に出版された渡辺さんの名著「逝きし世の面影」では、幕末から明治初期に日本を訪れた外国人たちが憧憬の念を抱いた江戸文明は滅んだのであると断言し、われわれが学んできた近代史はいったい何だったのだろうという思いにさせられたものだが、映画や大河ドラマに度々登場する偉人たちの視点ではなく、名もない市井の人々の視点から日本近代史を解き明かしていただきたいものである。
新聞連載の記事、本になったら是非ほしいところです。
私も一応通読しましたが、よく理解できていないところが多々ありますので何度か読み返さないといけないようです。(>_<)
だいぶ先の話になりますが、おそらく連載終了後に熊日新聞が出版すると思われます。