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このドラマの中で僕が最も好きなシーンは、年老いた父(笠智衆)が、癌で余命いくばくもない一人息子(杉浦直樹)を入院先の病院から連れ出し、蓼科の山荘で最後の日々を過ごさせてやるのだが、そこで父と息子が初めてしみじみ語り合うというシーンだ。
息子「病気も悪いことばっかりじゃあないな。元気じゃ、お父さんとこんなこと、絶対ないもんな」
父「うむ」
息子「忙しがってて」
父「うむ」
息子「とても、救われたな」
父「――」
息子「こんな気持のまま、死ねるとは思えないけど」
父「――」
息子「まだ、きっとジタバタするだろうけど、なるべく、見苦しく、ないように、したいな」
父「――」
息子「――」
父「案外、わしの方が早いかもしれんよ」
息子「そんなことはないだろうけど」
父「多少の前後はあっても、みんな死ぬんだ」
息子「そうだね、みんな死ぬんですよね」
父「特別のような顔をするな」
息子「フフ、いうな、ずけずけ。しかしね、フフ、こっちは五十代ですよ、お父さんは八十じゃない。そりゃあ、こっちは、少しぐらい、特別な顔をするよ。フフ(顔歪んで、泣いてしまう)」
父「――」
息子「(泣いている)」
父「(涙が湧いてくる)」
息子が寝た後、父親の笠智衆さんが一人手酌で酒を飲みながら熊本民謡「田原坂」を口ずさむのも泣かせる。
※2013.6.10の記事「今朝の秋」ふたたび・・・ を再編集したものです。
笠智衆、杉村春子、杉浦直樹、倍賞美津子、樹木希林さんたちが演じ、笠智衆さんと杉浦直樹さんの最後の日々の会話は見ごたえあったでしょうね。
私はこのようなドラマが一番好きです。
小娘がはやし立てて唄うのとか、ギャグのジャンルにも入らないようなお笑いタレントの番組が一番嫌いですね。CMも嫌です(笑)。
有難うございました。
しみじみとした心に残るドラマでした。
確か、余命いくばくもない息子を病院から連れ出したような気がしますが、よく覚えていません。
もう一度観たかったですね。
私も見るテレビ番組はかなり限定されてきました。直感的に「これは見る価値なし!」と思えばチャンネルを変えるか電源オフにしますので最近のトレンドなど論評できません。
叙情豊かで心に沁みるような作品でしたね。
NHKプラスで1週間は見ることができますよ。