縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

災害につよい家つくりを勉強してきましたぁ・・・高断熱高気密・高耐久の「匠」さんの現地見学会

2024年08月11日 08時14分21秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
地元で高断熱高気密住宅の見学会にいって、建坪35坪の吹き抜けに8畳用のエアコン1台しか設置していないのに涼しいことに驚いた。
真夏でも窓をしめて冷気を逃がさない高断熱高気密住宅は、「日本の住宅は冬の寒さより夏が過ごしやすいように開放的につくられている」という当たり前から真逆の家つくり。
冷房は吹き抜けのエアコンのみ、暖房はテレビ台内部に収納された暖房用エアコンのみの家
 
リビングと寝室ごとにエアコン設置という常識も通用しないのだが、停電でエアコンが使えなくなった時はどうなの?と渡辺社長に聞いたら、魔法瓶のようなものだから数日間は冷気は維持されるらしい。
暖気は床の吹き出し口の「ガラリ」から出てくる。「ガラリ」は渡辺社長の手作りとか。
 
真冬に停電した時のためのリスク分散で、暖房は開放型ストーブを利用するのも結露するので不可とのこと。
 
いいこと尽くめのような高断熱高気密住宅であっても、中途半端な家つくりだと結露で屋根や外壁の痛みが早く、壁もカビだらけになる実例をたくさん見てきたから、業者の選択は慎重に!
見学会は糸魚川市の工務店「匠」さんの新築物件
 
特に営業マンが歩合給で、二次下請け三次下請けが施工するような大手ハウスメーカーは要注意だ。
 
昔ながらの開放的な家つくりも工夫次第で快適に過ごせることを忘れてはならないのだが、どちらにせよ地盤も含めた耐震構造が大前提となる。
 
 
 

密閉した水道水は冷暗所で3ケ月保存できます!・・・ペットボトル売切れ騒動に思うこと

2024年08月10日 07時24分41秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
「今後1週間は南海トラフ地震に注意」といわず、普段から用心しておくことだと思う。
 
飲料水は言うまでもないが、能登の被災者は手洗いや洗顔や歯磨き、トイレなどの生活用水の備蓄も大事と力説する。
水道水を満たしたポリタンクを冷暗所に置けば3ケ月は飲めると知って実験したのが20年も前で、確かに異臭も浮遊物もなく飲めたので、ダンボール箱入りのペットボトルと共にガレージの奥で日除けの段ボールをかぶせて常備している。
心配な人は煮沸して飲んだり生活用水にすればいい。
 
飲み水にあたらないコツを20歳の時のインド旅の飛行機で隣りの席に座っていたインドネシア人学生から教えてもらった。ウイスキーを味わうように舌の上でころがしてゆっくり飲むというだけなのだが、このおかげで海外でも下痢したことがない。ただし異様に生臭い水や、口にふくんだ時に唾液腺がウルウルと刺激される水は飲まない。
 
ガレージを整理してたら埃をかぶった7年も前のダンボール箱入りペットボトルがでてきた。開栓したら普通に飲めたので、こちらも生活用水として保管してある。
 
拙宅裏に農業用水が流れていて、イザという時に汲めるように棒につけたバケツも用意してある。雨水をうけるバケツ、予備のポリタンと漏斗、煮沸用のカセットコンロと薬缶も非常用品置場に常備。
紐で吊るしたバケツは水が汲みにくいのは実験済みで、水に関しては雨水もいれれば4段構えの体制をとっている。
 
ペットボトルの水だけが水じゃないぜ!
 
 
 

輪島漆器の盃(さかずき)で飲み比べを!・・・輪島漆器販売義援金プロジェクト

2024年08月08日 06時48分09秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
滅多にお目にかかれない輪島漆器の盃が手元に2種類あり、酒好きに飲み比べてほしいものだ。
 
左は珠洲市の畠田家の盃でぽってりと厚みがあってかわいらしく、とろりとした甘口の純米酒が合いそうな印象。右が輪島市のK家の金縁が施された盃で、端麗辛口の吟醸酒が合いそうなシャープな印象。
縁の丸め方も厚みもかなり違って、K家の盃は極限まで薄く轆轤挽きされていて、羽根のように軽い。
高台底に書かれた家印は貸し借りをした時に返却してもらうためだが、大正時代に材木商を営んでいたK家の漆器には家印が書かれておらず、おそらく別格の高級品だったので貸すことはなかったのだろう。
 
酒が飲めなかった永六輔さんが、なるべく薄い器に冷酒を満たして湖面にみたて、湖面を渡る風ごと腹におさめるように飲むと美味いと教わり、やってみたら確かに美味かったと随筆に書いている。嘘か本当か確かめようではないか!
 
酒器の素材や形で味わいもかわってくるので、大人も夏休みの自由研究にいかが?軽くて嵩張らないから外国へのお土産に最適ですぞ。
 
どちらも沢山の在庫があるので、興味ある方は下記URLをチェック!
https://nunakawa.ocnk.net/
 
売上は宅急便代を除いた額が被災した持ち主への義援金となります。
 
 
 

ダブル遮光ネットで10℃も差が出た!・・・災害級の酷暑対策DIY

2024年08月04日 07時58分31秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
ぬなかわヒスイ工房の玄関テラスの上に遮光ネットをかけて、手前の遮光率65%の黒と、奥に明るいベージュの遮光率80%を比較してみた。
内側にもモカ色を張ってあるのでダブル遮光ネット!
どちらも素材はポリエチレン製だが、遮光率の差は編み方の密度と織り方の違いで決まり、15%程度の遮光率なら大きな差は感じず、むしろ粗い織りの黒が景色が透けてきえて涼し気だった。
直射日光があたる地面
ダブル遮光ネットの地面の温度は10℃以上も差が出たので驚く。ホームセンターの安物でも使いようと実感。
 
今回は工房の屋根下の外壁から張って、西日の直射を建物から遮ってみた。
試行錯誤した結果、最初に「アイストラップ」というステンレス金具を外壁にビス止めし、そこに竹の棒を紐で結束固定して、ネットが張るアイデアは収穫だった。この工夫さえすれば、ハトメ位置に関わらず好きな位置に遮光ネットが張れるのだ。
 
もう少し涼しくなったら散水の工夫もしてみる。サウジアラビアみたいな気候になったらクーラーの出番だが、今のうちに誰でもDIYできる酷暑対策を地道にやっておくといい。
 
 
 

損壊を免れた奇跡の銭湯「湊湯」・・・能登半島地震

2024年08月02日 07時59分18秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
能登町宇出津に、大きな損傷を免れた古い銭湯「湊湯」が営業している。
「ふくべ鍛冶」さんから徒歩5分ほど。
涼しげな暖簾にキュンとしたw
レトロなシーリングファンにキュンとした💛東京の銭湯で修行中に関東大震災に遭遇し、帰郷した先代が戦後間もないころに地震に強い銭湯をつくっていたのだ。
詳細は読売新聞にて・・・こじんまりした銭湯でも二階まで貫く通し柱を8本もつかい、構造材は全てアスナロで、周辺の地盤がよかったこともあるのだろうが、「絶対に壊れない丈夫な銭湯にしたい」という今は亡き先代の願いは叶った。
2月に損傷をうけたボイラーを修理して無料で市民に開放。5月時点でもタイルが剥がれたりもして万全ではないと、市民は無料で市外の人でも300円で入浴できていた。
飼い猫が我が物顔で歩き回っていて、みんなに撫でてもらっていた。黒いズボンは主人の奥様で、次回いったらビール券を差し上げる。
おおらかな空気感にキュン( ´艸`)
 
ボランティアもボランティアでない人も能登町に行ったら入浴を!
 
 

輪島漆器の深淵が怖くなる・・・名古屋で展示販売会開催

2024年08月01日 07時09分27秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
勾玉の注文にきた名古屋の女性が、輪島漆器の展示販売を申し出てくれた。
工房でみた勾玉カンザシも「かわいい」から売りたいと言われて、漆器ともども発送完了。展示販売会で初めてヒスイ加工品も売ってもらえる訳で、実物が多くの人の目にふれる機会となるので非常にうれしい。
 
名古屋は金持ちが多いと聞くw
だから漆器も滅多にでない高級品をおくった。同じ朱色でも高級品は彩度を抑えた朱漆。
 
木箱からして蓋の把手を黒柿(くろかき)という銘木を扇形にした凝った意匠。
一般の「家具膳」よりシックな色合いで、椀類も通常の漆器よりかなり薄い造りをしている。50年ほど前の輪島を特集したNHK番組が再放送され、塗師の年季明けの祝いで黒い漆器膳がつかわれる場面があり、もしかしたら黒い漆器膳は冠婚葬祭以外の仕事絡みのめでたい席で使われたのかも知れない。
 
こういった高級品は旦那さんと呼ばれていたような大きな商家からしか出ず、シックで軽量だから年配の方には人気がある。
吸物わんだろうか、蒔絵の図案は外側は竹の葉が見事に描かれていた。葉のうえの銀色の粒は朝露か?
 
蓋をあけたら内側に松葉と梅が描かれていて、全体で松竹梅を意匠しているらしい。
 
この椀だけは漆黒ではなく、「溜塗り」という技法だろうか、赤味が透けてみえるような透け感のある黒に塗られていて、こういった情報も販売先には伝える。
 
ボランティアで輪島漆器に関わるようになり、伝統工芸の深淵を垣間見て怖さを感じる時がある。
 
ゴミとして捨てるなら売って金にしないともったいないとモノ売りで終わっては唯物論に過ぎる。最も大事な内実が見落とされているのでは?
 
忘れ去られた輪島漆器をつかった「能登のおもてなし文化」を、復活は叶わなくとも思い出してほしいのだ。「おもてなし」に贅を凝らしたご先祖のモノガタリ、それに応えた漆器職人のモノガタリ。
 
それらモノガタリが文化や歴史の内実というもの。
 
 
 
 

輪島市門前町が石器つくりの聖地になるかも!・・・能登ジオツーリズムの可能性

2024年07月29日 06時42分19秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
輪島市門前町の海岸は、能登の中でとりわけジオツーリズムに適した地域であるように思う。
 
琴ケ浜は地名がしめす通り、花崗岩が崩れた石英砂の浜で、歩くとキュッキュッと音がする「泣き砂」の名所だ。
浜の西にある崩落した柱状節理の岩塊は、フォッサマグナミュージアムの香取学芸員から1,000万年ほど前の中新世の溶岩ドームであると聞いたが、そんな恐ろし気なものが身近にあるとを知る地元民はいないのではないか?
岩塊の断口面を観察すると、石槍や矢じりなどの打製石器に多用されてきた無斑晶質安山岩のようだ。
琴ケ浜を流れる小川には大量の砂鉄も流れているので、上流部に大きな花崗岩の岩山があるに違いない。
 
椰子の実の欠片もおちていて、地形好き・考古学好き・民俗学好きには興味がつきない浜。複雑に入り組んだ沿岸には海浸洞もあるから、シーカヤックで岬めぐりをしても面白そうだ。
 
震災でなにもかもが変わってしまったが、考え様では奇岩名勝地の初期段階を目の当たりにしている訳で、アウトドア遊びと組合わせたジオツーリズムで観光客を誘致できる可能性は大いにある。
 
無尽蔵にある無斑晶質安山岩をつかい、旧石器時代の研究者を講師に打製石器つくり体験会なんてのもありで、まずはヒスイ職人らしく拾った無斑晶質安山岩で勾玉をつくって地元の人にこの石の秘めた可能性を知ってもらう。
 
次回は素潜りセットを持参して、1mちかく隆起した海中も観察してみる。
 
 
 

30年ぶりで屋上で寝る・・・仮設住居の夏

2024年07月27日 06時08分42秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
輪島市門前の私設ボランティア拠点「SUNRIZE」に二泊して、仮設住宅の調査をおこなった。
平日とあって宿泊しているボランティアは少なかったが、一時避難所が閉鎖されて仮設住居の順番待ちをしている被災者家族も宿泊していた。「仮設住居待ち難民」への行政支援はない。
あてがわれた男子部屋は暑くて寝られたものではなかったが、涼しい屋上でテント泊させてもらったら実に快適で、明け方に寒さで目覚めたくらい。
 
30年ほど前に真夏のデカン高原の安宿に泊まった時は、空き部屋がエアコン・扇風機のない屋上の粗末なベッドしかなく、この時は気が狂いそうなくらい暑かったw
阿岸の仮設団地の自治会長に遮熱シートをかける実証実験をもちかけたら、賛同してもらったので自治会の合意と行政への許可申請をお願いした。
 
うまく話が進めば盆前には遮熱シートを張らせてもしいもんだが、能登に出る前はあったメーカー在庫が昨夜チェックしたら完売となっていた・・・あぁぁ・・・振り出しに戻ったか?・・・他のメーカーを調べてみるさ。負けるもんか・・・。
 
 
 
 

遮光ネットの有無で室温の差は24℃もあった!・・・ビニールハウスで暮らす被災者一家

2024年07月26日 07時03分42秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
UXテレビのニュースでビニールハウスに暮らす珠洲市の畠田和美さん一家を知った糸魚川市民から、お菓子・衣類・贈り物などを託されたので、漆器販売の義援金わたしも兼ねて訪問。
家が全壊した被災者は夏物衣料を持ち出せなかった人が多い。
衣類とお菓子、それに手作りコースターを贈ってくれた糸魚川市民のIさんへの証拠写真w
 
気になっていたのはビニールハウスの室温だ。5月に白系の遮光ネットを張ったビニールハウスの室温は26℃。
 
張ってないビニールハウスは午前9時の段階で50℃ちかくあり、午後は50℃の目盛りから針が動かなくなるそうだ。和美さんのお母さんは我慢できない暑さではないと言っていたが、劣悪な環境に順応したのか?麻痺したのか?とにかく要注意!
 
ちなみに温度差24℃もあった畠田さんのビニールハウスにかけた遮光ネットは、㈱ダイアテックス社の「ふわふわ」という商品。ビニールハウスの遮光ネットにも用途にあわせて黒・銀・白があり、もちろん最も遮熱効果が高いのは白。
 
 
 
 

本当にiPhone14PROは防水だった!・・・集中豪雨の冠水に注意!

2024年07月25日 06時46分33秒 | 災害サバイバル(地震・津波・水害)
水たまりを歩いたら意外と深くて水没!というギャグは、誰かの体験が元になっていることを身をもって学んだw
穴水町の仮設住宅で「グリーンカーテン」を施工したNPOボランティア団体に話しを聞きにいった。集中豪雨で至るところで冠水していて、大雨をさけるために屋根の下を歩いていたら倉庫入り口右横の水たまりで一瞬でわたしは水のなか。
 
浄化槽工事の大穴に水がたまった水たまりで水深4mあるだそうだが、はやく言え~( ´艸`)
 
慌てずさわがず泳いで自力上陸したが、iPhone14PROは水深2mで5秒くらい水没しても壊れないという実証実験をしてしまいましたぞ。
「グリーンカーテン」という名前から、屋根の遮熱ではなく壁面緑化のことだと察してはいたが、行政とボランティア団体の連携がうまくいっている穴水町であっても許可申請は面倒であったらしい。
 
西面の壁面緑化と屋根の遮熱を合わせるとだいぶ暮らしやすくはなるハズ。実現はハードルが高いけどネ。
港は海と陸の境目がわからなくなりつつあるが、雨の峠はこえたようだ。