縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

山を畏れ「お狗さま」を祀った人々の文化・・・小倉美恵子著「オオカミの護符」

2024年09月28日 06時57分48秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
「自然界の報道写真家」を自称するカメラマンの宮崎学さんとやり取りしていて、「晴れても明日は仏滅だから山にはいらない」と言われてハッとした。
生っ粋の信州人にとって山は恵みをあたえてくれる場である反面、異界として畏れる対象であることに、今さらながらに気づいた。
本書は関東山地から信州南部に多いオオカミ信仰の実態をレポートしたドキュメンタリー映画「オオカミの護符」の撮影後日談も加えた書籍。「ブックスサカイ」のW主任の選書コーナーで購入。ちなみに映画のチラシは当時大学生だった友人のナナちゃんがデザインした。
 
山の生態系の頂点にたつオオカミは、人間を襲わずイノシシやシカを間引いてくれるので、主に山間地で焼き畑農業をする農民から「大口眞神様」「お狗さま」と尊崇された。
そこには天照大御神を頂点とする神界ヒエラルキーも、神なるものの愛や救済の思想はなく、ただ畏れと祈りがあるだけだ。
 
日本が文明国家の仲間入りをした明治期に日本オオカミは絶滅したが、戦後となると山村の若者が都会にでてゆき、「お狗さま」を祀る神社の講も担い手が減少し、山の荒廃もすすんだ。
 
畏れる対象でも利用価値もない土地になったから、メガソーラーや風力発電が無秩序に乱立するに至ったのではなかろうか?
 
今の時代、いまいちど海や山を畏れ祈っていた時代を見直す必要を感じる。
 
 
 
 

ワラシ発電で元気をチャージ!・・・黒部市立たかせ小学校の縄文遠足

2024年09月26日 07時27分19秒 | 縄文
能登の水害で心がふさぎがちな日々に一服の清涼感。
 
富山で先生をしているFB友達の本村さんの紹介で、富山県黒部市立たかせ小学校の遠足で、高学年70名弱を長者ヶ原遺跡ガイドした。
なぜか遺跡公園にドラえもんの石像があり、真実の口遊びをしてもらうのが恒例。
はじめての公立学校のガイドで不安だったが、前回は時間をもてあましたのに、今回は時間が足りないくらい楽しかったと好評と聞いて安堵。8畳間ほどの1号住居に36名がはいっても余裕ということが判明。
 
考古館のガイドは子供が飽きはじめるまでにして、遺跡公園での遊び方さえ教えれば、男子は「縄文式覚醒術」、「縄文式パンツ術」、昆虫採集、地面に這った蔓で綱引きしたりと元気いっぱい。
最初は一人が蔦を引っ張り、我も我もと人数がふえて綱引きになったが、先頭の女の子はホウバを振って応援していて、自然に役割分担がきまるのが微笑ましい。
 
一方、女子は木陰でおしゃべりに興じ、大騒ぎするおバカ男子を「体は6年生でも心は3年生だわいね」と越中弁で批評していたw
「縄文式覚醒術」で目覚めるにはノリのいい大人がいるのが条件。引率の先生が率先して面白がってくれた。
ホウバをつかった「縄文式パンツ術」で誇らしげにポーズ・・・卒業アルバムにつかってちょうだいw
 
キャーキャー走り回る子供に、「この元気をワラシ発電として利用できないものか?」と先生たちと話す。
 
先生方は児童にさん付けで名前を呼び、褒めて伸ばす方針らしく、怒鳴ったりもせずにこやかに見守っていた。担任と相性が良くなく鬱屈と過ごした我が小学生時代と隔世の感。
 
引率の先生が帰りのバスに乗るまで「縄文式パンツ術」をしたままだったので笑ったが、おとなしかった小柄な女の子が駆け寄ってきてぺこりと頭をさげ、振り返ってはぺこりと頭をなんども下げつつバスに乗っていった(´;ω;`)
 
能登ではこんな子供たちが大変な目にあっていると思うと・・・泣かせるわいね(越中弁)
 
おぢちゃんを元気つけてくれて感謝!また遭う日までごきげんよう。また元気を与えてくれっちゃ。
 
 
 

ピカピカの20歳・・・スーパーカブで日本一周する青年

2024年09月24日 07時02分21秒 | 旅先にて
博多からカブで日本一周をしているイッピ君と日帰り温泉で遭遇。全財産10万円で旅に出て10日目で残金8万円w
えらく薄着で装備も貧弱なので、防寒着を買わないと東北から北は無理だぞと言ったら、寝袋のマットや防寒着も積み忘れてきたという「オオマン」な20歳。博多弁で大雑把な人をオオマンというのだが、久しぶりの博多弁会話が懐かしいタイ。
 
「わらしべ長者」のように出逢った人と物々交換しているので、富山で交換したハングル文字が書かれた帽子と何か交換できませんか?と問われたので、車載してある防寒手袋をプレゼント。
 
もしかしたら変態とか書いてあるかも知れん帽子はいらんよと帽子は受け取らなかったが、これから防寒手袋は必須なので交換させたら可哀そうというのが本音だ。
 
野宿場所に筒石マリンパークと最寄りの中古衣料店を教え、北海道で住み込みバイトを見つける方法や、100均食材のレシピも伝授。
 
金がなくなったら習ったばかりのウクレレで路上ライブして稼ぐといっていたが、ピカピカさがまぶしい。
 
見かけたら何もやらないでください・・・クセになる!
 
ウクレレ弾かせて投げ銭でも~w
 
 
 

能登に安寧の日々が訪れんことを 畏み畏み白す・・・浅田次郎著「「神坐す山の物語」

2024年09月23日 08時08分41秒 | ぬなかわ姫
「輪島漆器販売義援金プロジェクト」をはじめて7ヶ月、昼も夜もない日々がつづいていたので、三連休は思い切って完全休養することにして、読書と昼寝を愉しむために「ブックスサカイ」へ。
選書コーナーは以前よりW主任の好みがより強く反映されて本も倍くらいに増えていた。「山田さんが応援してくれたお蔭です」と、お世辞でも嬉しいことを言ってくれる。
浅田次郎著「神坐す山の物語」・・・面白すぎて一気に読了!うなった。ちなみに「神坐す」は「かみいます」と読みますw
 
能登の惨状に心をいためている今、まさに読むべき本に出逢って、こちらこそ佳い本を選んでくれたW主任に感謝。
ドキュメンタリー映画「オオカミの護符」の文庫版も購入・・・映画のチラシは友人のナナちゃんがデザインしたご縁もある
 
著者の母親は「オオカミの護符」でしられる「武蔵御嶽神社」の娘で、登場する人物と数々の不思議なエピソードはすべて実話が元になっていると後書きにあって、浅田作品に幽冥境が混沌とした場面がよくでてくることに得心。
 
大口真神様(おおくちまがみ様)、おいぬ様とよばれる日本狼を祀り、昔の日本人は自然災害や怪異現象と出逢っても、ひたすらに畏み畏み白す(かしこみかしこみもうす)と身をひくくして神々にお願いして暮らしていた。
 
人が亡くなるのも神上がり(かむあがり)の自然現象として受容する、空気感のような自然崇拝と祖霊崇拝。そこには最高神といったヒエラルキーも教義も存在しない。それは「けんか祭り」で実感するところ。
 
今週は富山の小学生グループの縄文遺跡ガイドを頼まれている。噴火する火山を荒ぶる神様として祀り、ひたすら頭を垂れてお鎮まりくださいと畏まっていた昔の日本のお話しもしようとおもう。
 
・・・能登に安寧の日々が訪れんことを 畏み畏み白す・・・。
 
 
 

大谷翔平と井上尚弥に共通したメンタルの強さと家庭環境・・・ジョー小泉著「ボクシングは科学だ」

2024年09月21日 08時06分35秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
大谷翔平や井上尚弥など、海外で活躍するプロアスリートの出現に隔世の感があるのはわたしだけではないだろう。
本書はわたしと同世代のボクシング経験者なら誰もが読んだ革新的な教本なのだが、日本人ボクサーが世界で評価されない理由として以下のようなことが書かれている。
 
①精神論が優先する練習環境
②強烈なパンチを生む上半身の筋力が劣る体型
③和食は水分が多いのでボデイが打たれ弱い
 
以上から日本人ボクサーが海外で認められるチャンピョンになるには合理的な練習をして、ファイティング原田のような無尽蔵のスタミナとフットワークとデイフェンスを駆使したボクサースタイルと結論していた・・・40年前に読んだのでうる覚えだけどw
今となっては②と③は古臭く感じるが、①に関してはごもっとも。
 
しかしメンタルの弱さについては、精神論に支配されて緊張しすぎとくらいまでしか書かれてはいなかった記憶がある。
 
本書はかって日本人プロ野球選手が、大リーグで活躍できなかった時代に書かれていて、そのままプロ野球にも当てはまるだろう。
 
大谷や井上のみならず、最近のオリンピックで活躍する日本人選手は、傲岸不遜な言動がないこととメンタルが強いことで、それら資質を生んだ円満な家庭環境が共通しているのではないか?
 
特に槍投げで金メダルをとった女子選手の天真爛漫な立振る舞いに、どんな家庭で育ったのか興味が湧く。
 
スポーツだけでなく、今の日本社会はこの人たちのメンタルの強さと家庭環境を学ぶべきなのかも知れない。
 
ちなみに本書の著者のジョー小泉さんは、出版当時は英語・スペイン語・タイ語に堪能で海外にネットワークをもつ謎のプロモーター兼トレーナーとして知られていて、東南アジアっぽい容貌と本職は三菱重工の役員を勤める工学博士という噂もあったので「得体の知れない怪人物」とボクシングマガジンに書かれていた。
 
90年代に衛星放送で解説をするようになり、ダジャレ好きな気さくな人柄が知られるようになり、得体の知れない怪人ではなくなった。
 
世界屈指のボクシング映像のコレクションを誇る研究家、語学力を駆使した試合レポートと解説、プロモーターとしての功績を認められ、ファイティング原田、具志堅用高とならんでボクシングの殿堂入りをした。
 
 
 
 

縄文と弥生の勾玉のコラボが生むモノガタリ・・・門前町の無斑晶質安山岩製連珠「能登之神」2作目

2024年09月19日 07時25分56秒 | ぬなかわヒスイ工房
門前町の無斑晶質安山岩でつくった勾玉連珠「能登之神」(その2)
1作目は弥生後期の山陰系の実物大勾玉を中央に据えた左右に、弥生後期~古墳前期の小型勾玉を配したが、2作目はシャープな印象の縄文早期の牙玉状の勾玉を配してみた。
今のところモデルにした糸魚川市の大角地遺跡出土の滑石製の勾玉は最古級の勾玉のようだが、獣の犬歯を石でつくった牙玉とみるのが適当だと思う。
 
クニという概念のなかった縄文のプリミティブな勾玉と、クニが出現しつつあった弥生の優美な勾玉のコラボは、観た人、身に着けた人に色んなモノガタリが生まれそうだ。
それにしても大角地遺跡の勾玉だけをみるとカタクチイワシのようですナw
 
 
 

灰皿と火焔土器の類似性について考えるw・・・ヒトラーが選挙で選ばれたことを忘れちゃダメですぞ

2024年09月18日 07時14分29秒 | ぬなかわヒスイ工房
うわぁ、これも火焔土器ですかぁ?!
んな訳ないでしょ、灰皿っ!あっしゅとれい!それに火焔土器じゃなくて火焔型土器!(むしろ形状は王冠型土器にちかいけどネ)
 
すご~い。自分でつくったんですかぁ?!百均で買ったプラスチック製っ!(怒)
 
マジでそう思ったのか冗談なのか不明ながら、天真爛漫もすぎると危険だぞw
 
ヒトラーが選挙で選ばれたことを忘れちゃダメ。
 
戦前の日本ではヒトラーとムッソリーニは英雄視されたし、軍人も政治家も、そしてマスコミも「バスに乗り遅れるな」と三国同盟を主導して、太平洋戦争に繋がっていった。
 
自分で調べて考えないと、また「騙された!」と騒ぎだすことになるヨ。ふんとうにっ!
 
 
 

時代は「石橋湛山」を求める・・・自民党総裁選に思う

2024年09月17日 07時34分09秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
自民党総裁選のポスターに居並ぶ歴代総理のあつかいは、在任期間と認知度でえらんだそうだが、その選定条件と「時代は誰を求めるか?」のキャッチコピーは一致するのだろうか?
わたしならリベラル保守の石橋湛山のような総理大臣を求める。よくわからない人物で、さしもの半島一利さんの著作を読んでもわからない。
 
戦前の湛山は、世論とは真逆に帝国主義・ファシズム・海外覇権主義を批判して、「大日本主義」から軍縮と朝鮮半島・台湾の統治を放棄した道義的国家に舵をとり、国際協調を目指す「小日本主義」を訴えつづけたジャーナリストだった。
 
兵役時の湛山は社会主義者ではないかと上官に睨まれたが、やがて誠実な人道主義者と認められたほどの人格者であったようだが、よくも戦前戦中に堂々と軍部と国策を批判して抹殺されなかったものだと思う。
 
戦後は自民党から政界入りし、岸信介をやぶって55代内閣総理大臣に就任したが、脳梗塞に倒れて岸に総理の座を禅譲した在任65日の短期政権に終わった。
 
今でも党派をこえた国会議員の湛山研究会があると聞くが、なぜ戦時中に抹殺もされず、自民党の総裁になれたかを調べても、人物のスケールが大きすぎるのかよくわからない人だ。
 
ぶれない哲学と折れない心、そして保守と野党にも認められたバランス感覚と人間力。もし総裁選のポスターのど真ん中に湛山がいたなら、自民党もまんざらではないと思うのだが。
 
 
 

立ち読みはアメリカシロシトリと同じデス・・・薄利多売の街の書店を潰す行為

2024年09月14日 06時06分29秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
本屋の粗利益率は20%ほどらしいから、300円の雑誌を1冊売った粗利益は60円で、一般管理費を差し引いた営業利益は10円か20円くらい?
 
先日、「ブックスサカイ」で久しぶりにブックコンシェルジュのW主任をみつけたので、「最近面白い本ある?」と声をかけたら、選書コーナーに連れていかれて「高橋留美子さんの最高傑作です!立ち読みでもいいのでぜひ読んでみてください!」と「人魚シリーズ」を薦められた。
 
ムハッ!チャンスとばかりに週刊誌コーナーで立ち読みしてる奴らに聞こえる大音声で、「ジェントルマンは立ち読みしませんっ!買いますっ!立ち読みなんで野暮なことはしませんっ!」と言ってやった。
 
なんだヤロー!やるかタダ読みヤロー!という展開にならず、我関せずの厚かましいヤツが立ち読みしてるのネw
本が売れた時代なら薄利多売でも存続できたが、活字離れに万引きと街の本屋の存続は風前の灯火。タダ読みしてサヨナラではシロアリやアメリカシロシトリの類いと同じではないか。思いやりがなさ過ぎ。
 
 

山田征さんと輪島漆器義援金プロジェクトがドッキング!・・・山田征新潟市講演会「自然エネルギーのほんとのこと」

2024年09月09日 07時33分10秒 | 災害(輪島漆器義援金プロジェクト・ボランティア・サバイバル)
山田征さん講演会のお知らせ
普通の主婦が皮膚感覚から環境問題にとりくむようになり、草の根運動家として海外まで知られるようになった征さんの講演会が新潟市であり、おさそいいただいて「輪島漆器義援金プロジェクト」も販売ブースを出すことになりました。
 
日時;9月10日 18時30分~20時30分
会場:クロスパル映像ホール(新潟市中央区礎町3)
内容;「自然エネルギーのほんとのこと」・・・協力費500円
主催;山田征講演会事務局
 
わたしが某国の難民支援NGOの活動をしていた20年前に、征さんから多額の寄付をいただいて以来、前世の息子とかわいがっていただいており、征さんも「輪島漆器義援金プロジェクト」の輪に加わり、各地の講演会で販売してくれるそうです。
 
大物政治家もふくめ、各界とのネットワークが半端ない方なので、能登に興味をもってくれる方、プロジェクトの在宅ボランティア仲間が増える機会となれば幸い。
志賀原発
原発の周囲には風車群が林立していた
故郷を切売りして一部の人たちが儲けているような利権の匂いがする風景ですなぁ・・・。