仕立屋のニテチカさんが王さまになった話/コルネル・マクシンスキ・再話 絵:ボグスワフ・オルリンスキ・絵 足達 和子・訳/偕成社/2010年初版
陽気な仕立屋ニテチカさん。
まずは、あごひげが136本、自分が手にもっている針をくぐりぬけられるほどのやせっぽちとあって、あっという間に、話の世界に。
ある日、ロマの女の人の足のけがを縫ってやると「西へいけば、王になれる」といわれ、針を100本、糸を10000キロメートル!(なんという長さ)と裁縫道具一式を持って町をでます。
西はどっちと106歳のおじさんに聞けば、おひさまがしずむところ(まあ、そうでしょうね)だろうと答えがかえってきます。
やせっぽちのニテチカさんは風にふかれて麦畑のまんなかに落ちますが、そこで会ったのは伯爵と名乗るかかし。
ややくたびれたかかし伯爵の服を繕い、西へ西へ。
途中、犬に襲われたり、悪魔の家に食事に招待されたり。
やがてどしゃぶりの町へ着きます。何日も雨が降り続く町。
この町の王女は、雨を止めてくれた人と結婚するというのですが・・・。
ニテチカさんがとった方法は?
ニテチカさんが悪魔の娘に見初められて、あわてたり、雨が空からふってくるというニテチカに「バカいっちゃいかん。下から上にふるわけがなかろう」とこたえ、ニテチカがどうしてこの町だけに雨が降るんだろうというと「よそは晴れだからじゃ」とこたえるかかし。軽妙なやりとりも楽しめます。
悪魔の家はまるで何かの顔で、ぐるぐるまわっていて、聖歌をうたって逃げ出すだすのですが、二人の冒険談にワクワクします。
ニテチカさんは、空に穴があいてしまって、穴を繕わないとこの世のおわりまでふるだろうと、空に昇って空の破れ目を縫うのですが、この場面は、語りで表現するのは難しそうです。
この話を聞く機会がありましたが、絵本をみていたので、イメージがはっきりしました。