どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

うりこひめとあまんじゃく

2016年01月09日 | 絵本(昔話・日本)

  
    うりこひめとあまんじゃく/松谷みよ子・文 土橋とし子・絵/講談社/1997年

 日本の昔話はよく知っているつもりでも、じつはよくわかっていないというのもしばしば。

 松谷みよ子さんの「うりこひめとあまんじゃく」を読みました。

 昔話の冒頭には、子どもにめぐまれなった夫婦というのがよくでてきますが、この話も同様で、ある日、ばあさまが川で洗濯をしていると、うまそうな瓜がながれてきます。この瓜から生まれた女の子。うりこひめとなずけられます。

 かぐや姫は竹のなかから、桃太郎は桃の中からうまれますから、いろんなものからうまれる物語があってもおかしくありません。

 はたを織るの上手で、うつくしい娘にそだったうりこひめ。
 ひとわん食べさせれば ひとわんだけ ふたわんたべさせれば ふたわんだけとすぐに成長します。

 やがて、うりこひめは、長者のところへよめ入りすることになりますが、じいさまとばさまがよめいりの支度をしに、町に買い物にいったとき、一人留守番をしていたうりこひめが、あまんじゃくに連れ去られ、あまんじゃくがかわりによめいりのかごにのっていると、カラスがとんできて、あまんじゃくの正体をあばきます。

 あまんじゃかくが、うりこひめを連れ出すあたりは「赤ずきん」をおもわせます。

 あまのじゃくは、桃をたべるためうりこひめを連れ出しますが、自分だけ食べて、うりこひめには青い実や虫くの桃を木からなげます。
 この木にうりこひめをくくりつけ、自分はうりこひめにばけて、じさまとばさまをまちます。

 じさまとばさま、あまんじゃくのやりとりもおもしろい。


 テンポよく話がすすむので、語るなら、松谷バージョンが適当のようです。

 松谷さんのは、瓜が川に流れてくるのですが、畑の瓜というのになっているものもあります。