空にさく戦争の花火/作・高橋秀雄 絵・森田拳次/舎人社/2015年初版
発行日が2015年8月15日とこだわりがあります。
今はもう亡くなった春造おじいちゃんの笑った顔をみたことのないシンゴ
春造さんは花火大会の夜になると部屋にこもってみたことがありません。
お盆に、春造さんの戦友だったというおじいさんが遺影に手を合わせに来てくれます。
おじいさんも花火がきらいというのですが・・・・
おじいさんは、水平線をうめつくすほどの戦艦の艦砲射撃のことを語ってくれます。
人の死体をどんな思いで埋めていただろうかとシンゴは考えます。
花火の音も煙も爆発して光ったら艦砲射撃されてるのと同じだなと、春造さんの遺影に語りかけるおじいさん。
花火を見て、戦争なんか思い出させないような世の中にしてくれとシンゴに語るおじいさんです。
シンゴがみたという春造さんがたった一回笑ったエピソードも印象に残ります。
親しみの持てる人物像が素朴な感じがします。
おと・におい・ひかりのように、五感で戦争の悲惨さを実感し、二度と戦争を起こしてはならないと子どもが自分の力で思えるようなものにしたいという作者の思いが伝わってくる絵本です。