ぼくのきいろいバス/荒井 良二/学研/2007年
はじめてひとりでバスにのってとなりの町へでかけることになった日の朝、どきどきして 目覚ましよりはやくおきると、太陽からでてきたのは、きいろいもこもこ。まぶしいもこもこは、きいろいバスになりました。
おはようとあいさつして、バスに乗り込むと いつもの町をゆっくりゆっくり はしります。
町は、あさごはんの支度。
きょうひとりで ほんとうのバスに乗るんだよと、こごえでいうと、きいろいバスは、たのしそうに もこもこ おしりをふりました。
町をぬけると、やぎやうしが あさごはんをたべ
ひろばでは みんないろんなことを しています。
たのしそうに!
いっしょうけんめいに!
ぼくもなにかしたくなって 地面に 絵をかきました。
たのしそうに!
いっしょうけんめいに!
たのしく たのしく たのしく たのしく!
もういちど バスにのると とおくから ジリジリジリリーッという音。
家にもどると 朝ごはんの においがしてきました。
きいろいもこもこのバスは かえっていきました。
ぼくは いつもより いっぱい ごはんを 食べ
ひとりで バスにのり 隣の町へ いきます。
きいろいバスは ひとりでも大丈夫と ぼくの 背中をおしてくれたのでしょうか。
きいろいもこもこのバスの下には とても不思議な光景。
建物が人物で、広場ではウエイトリフテング、編み物、縄跳び、ボール遊び、玉乗り。バレエをしている人も。
最初から最後まで黄色が主役です。