Mars&Jupiter

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雷鳴響く横浜と、ゴメスの歌劇「グァラニー族」序曲

2007-06-01 11:26:02 | 古典~現代音楽ブラジル編
昨日は夕方横浜で雷鳴が響き、雨も降ったので、
ウォーキングできる状況にもなかったのであきらめた。
そろそろ梅雨の時期に入るので、ウォーキングには不利だ。
せめて、雷雨やどしゃぶりでなければいいのだが、
そういう日もこれからあるだろうな。

今回は1836年生まれのカルロス・ゴメスの作品をとりあげる。
ブラジル生まれの彼が活動した場所はイタリア中心のようだ。
CDの解説書によると歌曲やピアノの小品もいくつかあるが、
歌劇やオペレッタなどの作曲者として知られているようだ。
ミラノ音楽院で学び、パリ音楽院院長も務めた人物で、
有名な歌劇には「グァラニー族」の他には、
「フォスカ」、「捕らわれ人」などがある。

歌劇「グァラニー族」はポルトガル人貴族の娘を愛する
インディオのグァラニー族ぺリに関する16世紀の物語だ。
彼はその物語が展開する中で、
自らキリスト教徒になり、自分の命と名誉を守る。、
そして、彼を処刑し食べようと準備する敵を殺すために、
歌劇のある場面で、毒を使うという話のようだが、
実際にはその歌劇を見ないとわからない。

この歌劇はミラノのスカラ座で1870年に上演され、
見事な成功をおさめたが、それ以後の作品も
ヨーロッパの主要な首都で上演されたようだ。
ヴェルディは「本当に音楽の才能がある天才」といい、
彼の作品を絶賛したということである。

歌劇「グァラニー族」序曲は9分前後の曲で、
聴いてみるとやはりイアリア歌劇の影響を受けており、
ヴェルディの影響は強いのだろうなとも思ったりする。
華やかで優雅な感じで始まる序曲は、
これから起こる歌劇の内容を暗示するかのように、
その後音楽が激しくなり、劇的な場面を予感させ、
その一方で夢のような優しく美しい旋律が流れ、
それらいつくかのテーマが交互に現れることにより、
めまぐるしい展開がこの後にあることを感じさせてくれる。
きっと当時のイタリア人の観客は、
この曲を聴いてウキウキしたであろう。

さて、このゴメスは、ブラジル生まれではあるが、
活躍の場はヨーロッパであるし、
音楽的には中南米的な要素はない。
とはいえ、興味あるのはこの歌劇の詳細なストーリーである。
当時のヨーロッパの人々が関心を持ったこの作品を通して、
ゴメスのようなヨーロッパに住むブラジル出身者や
当時のヨーロッパの人々の中南米世界へのまなざしは、
どのような加工がされているのかという問題である。
きっとそこに様々な文化を考える上でのヒントがありそうだ。
コメント
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