Mars&Jupiter

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グリンカの幻想曲「カマリンスカヤ」を聴きながら希望が丘から上星川まで

2007-06-26 05:46:47 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は希望が丘駅から上星川駅まで歩いた。
帷子川沿いを歩きながら、ふと思ったのは、
春の時期まであまり目立たなかった草が生い茂っており、
道にはみ出してしまうまでになっていた。
いくつかの民家に紫陽花が咲いているのを見ると
そんな時期なんだなという季節の移りかわりを実感する。

途中聴いた曲は1804年生まれのグリンカの作品である。
彼は、ロシア国民学派の祖とも言われている。
グリンカの管弦楽曲では歌劇「ルスランとリュドミラ」の
序曲が有名であろうし、確かに実際聴いてみると名曲である。
ここでは、それ以外の作品2つをあげてみよう

まずは歌劇「皇帝に捧げし命」から、序曲と3つの踊りである。
彼の作曲した歌劇は「ルスランとリュドミラ」とこの曲しかない。
1836年に作曲されたこの歌劇の序曲は、10分近くの曲で
一部の歌うような旋律の中にシューベルトからの影響が、
旋律の展開方法などにメンデルスゾーン影響が認められ、
ドイツ風の音楽からの影響が強く出ているのが、
彼のその後の作品を思わせる独自性も認められる。

3つの踊りは、ポロネーズ、パ・ド・カトルそして、
クラコビアクの3つの曲から成る。
ポロネーズはポーランドの代表的な三拍子系の踊りの曲。
優雅な感じ、中間部の金管楽器の吹奏が心地よい。
パ・ド・カトルも軽快なテンポにのって演奏される。
途中のチェロで奏される旋律が印象的である。
クラコビアクはポーランドの舞曲の一つ。
愛らしいフルートと全体の踊りの旋律が絡み合い、
最後はテンポをあげて盛り上がりをみせて終わる。

幻想曲「カマリンスカヤ」はチャイコフスキーが絶賛した曲で、
ロシアの交響楽のすべての作品の源流が、
「カマリンスカヤ」にあると言わしめた曲で、
ロシア民謡を題材に使い、最後は華やかに終わる。
これを聴けば彼がロシア国民学派の祖であると、
言われることも納得できる。

ところで歌劇「皇帝に捧げし命」のそもそも原題は、
「イワン・スサーニン」であった。
スサーニンは17世紀に実在した農民で、
ロシアに侵入するポーランド軍に対して戦い、
祖国を守った国民的英雄であったようだ。
皇帝ニコライ1世はこの歌劇の上演の際に、タイトルを
「皇帝に捧げし命」にして上演するよう命じたということだ。
一農民の愛国心が皇帝の都合によって政治的に利用された。
グリンカはこんなことをどう思ったのだろうか。
コメント
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