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リムスキー=コルサコフの「金鶏」、そして「サルタン皇帝の物語」

2007-06-21 06:13:53 | 古典~現代音楽ロシア編
昨日は横浜から星川まで歩く。
途中聴いた曲は、リムスキー=コルサコフの作品である。
1844年生まれのリムスキー=コルサコフの代表作は、
「シェヘラザード」ということになるかもしれないが、
ここでは組曲「金鶏」、組曲「サルタン皇帝の物語」の
二つをとりあげ、簡単に紹介したい。

歌劇「金鶏」は、1907年に作曲されたが、
初演は彼の死後の1909年に行われている。
その歌劇のあらすじは、以下の通りである。
国境の敵の脅威におびえる皇帝ドドンに、
星占い師が危険を知らせる時に鳴く金鶏を献上する。
その時、星占い師は報酬として愛を頂きたいといい、
皇帝はどんな望みもかなえようという。
皇帝はその後の戦いで二人の息子を失うが、
シュマヒの女王の美しさに魅せられ、女王を連れて国へ帰る。
星占い師は報酬としてその女王を要求するが、
皇帝がそれを拒んだため金鶏に頭を激しく突付かれ殺される。

組曲「金鶏」はこの歌劇から4曲を選んでいる。
第一曲「宮殿の中のドドン皇帝」から彼らしい、
エキゾティックな雰囲気が漂い物語の世界に引き込まれる。
第二曲「戦場のドドン皇帝」はチェレスタが活躍する。
第三曲「シュマヒ女王の賓客としてのドドン皇帝」は、
シュマヒ女王の美しさの魅力にとらわれる皇帝ドドンの
様子がロマンティックに描かれ、シェヘラザードを思わせる。
第四曲「婚礼とドドンの嘆かわしい最後」は
最初華やかな婚礼の様子が描写されるが、
金鶏に殺される皇帝のドラマティックな展開が待っている。

彼の曲を聴いて思うのは、物語のような曲の展開である。
次がどうなっていくのかを感じさせる部分である。
また、ダイナミックな曲の盛り上がり方がいい。
金鶏を表現する主題がところどころの場面で現れ、
このあたりがワグナーのライトモティーフのように
重要な意味を表現している感じでもある。

1900年に作曲された歌劇「サルタン皇帝の物語」の
物語としてのあらすじはこうである。
サルタン皇帝の妃に選ばれた妹が二人の姉に妬まれ、
その二人の姉に騙されたサルタンは妃と生まれた王子を
樽の中に入れられて魔法の島に流される。
サルタンは船乗りから魔法の島の三つの奇跡の話を聞く。
嘘を隠そうとする二人の姉たちであるが、
白鳥に変えられた妃は王子の力で人間の姿に戻り、
真実を知ったサルタン皇帝は、
最後妻と王子を迎え、ハッピーエンドで終わる。

組曲「サルタン皇帝の物語」は、ここから3曲を選んでいる。
第一曲の「皇帝の別れと出発」は一部行進曲風で
勇ましい曲であり、エキゾティックでもある。
第二曲「海上で樽の中のロシア王妃」では、
苦難を強いられた王妃の悲劇的な様子が描かれる。
第三曲「三つの奇跡」では、ダイナミックな音楽とともに、
すべての疑惑が解け、ハッピーエンドで終わるこの物語の
最後の劇的な展開を描いている。

「サルタン皇帝の物語」には有名な「熊蜂の飛行」がある。
この小品はいろいろな編曲版で使われることが多いが、
原曲の駆け抜けていくような疾走感がとてもいい。
それにしてもリムスキー=コルサコフはいい。
コメント
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